内容説明
アイヌ民族の先住民族としての権利回復をテーマに民族の現状、海外先住民族運動などをルポ。「アイヌ新法」の制定問題、先住権・補償など政治課題を検証する―。新聞協会賞受賞。
目次
1 記念写真の7人
2 春待つ二風谷
3 目覚めの旅
4 事件
5 新法前夜
6 私たちも考える
7 首都で
8 新しい権利
9 共鳴するこころ
10 提言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たけふじ
1
1990年前後のアイヌ民族の状況として、「民族に誇りを持てない」という人々が多いことに気づく。そして、受ける差別も「アイヌであるがゆえ」のものだ。2023年の今、「アイヌである自分が好きだ」と自尊心を持てるようになった人たちは少なくないと思う。一方で、差別は「アイヌはいない」と不存在を前提にするものになっている。90年代の当時よりは改善してるのかもしれない、でもまだまだ理解されていない。道は果てない。2023/09/21
Steppenwolf
1
E2016年12月現在においても遺骨返還に関して,旧帝大,特に医学部はアイヌの人々からの要求を撥ね付けている記事を見かける。10ページでもいいから本書の中身を読んでから物事を(医学部側に人道上の見地から)判断してもらいたいものである。1994/01/09