感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
68
本作は70年代のバロウズにしては筋のある方らしいが、カットアップ、フォールドインなど文を切り貼りする手法をふんだんに使っており、出来事を把握するのが困難だった。くり返される肛門、クレゾールといった語彙。《目が勃起して蒸発し空地に中毒する。おれの時間は最後の黒いかけらが尽きようとしていた》…こういう表現はただの隠喩とは受け取れない。実際に目が性器となり液化する、いわば存在を根こそぎ置換する感覚かと思われる。進化の過程での突然変異…つまり物質としてのDNA組み替えに、言葉と化した己れを賭けていく試みだろうか。2017/09/30
加藤
7
著者初読み。これでまだ筋が追いやすいほうらしく素朴にワクワクする。訳者あとがきのまさに売文家と呼ぶにふさわしい執筆時のエピソードも最高。コピペ以前のコピペ小説。無限にエピゴーネンを挙げられそうだけど思いつかない。楽しいところと文字を読むだけのところ、読書できているところなどがあった。とにかく訳が偉大で、曲守彦って何者なの?となりググったら柳下毅一郎のペンネームで驚き。山形浩生と学生時代から繋がりがあったのか。本当にものを知らない自分にしごくうんざり。まずバロウズをいまさら初読みするな、思春期に済ませておけ2020/04/18
warimachi
4
やっぱおもろいわ。2022/09/13
igi_tur
4
バロウズの作品は、深夜流れるサンドストームのようなノイズの嵐。それが異様にくっきりと切ないほどにクリアになる瞬間がある。その一瞬の恐ろしいほどの透明さを追い求めて読んでいるという気がする。
あおぼしまどか
1
カットアップ小説。正直面白くはないがランダムに積み上げる言葉に癖を感じると快感がある。一応話らしきものもあるし、ジャンキーぶりも伝わってくる。自分は引用したい語句に付箋をつけながら読んだ。 人にはすすめられない。訳をした 山形 浩生氏(は、まあいいんだが) 曲 守彦氏に敬意を払う…と思ったら柳下毅一郎としりこの二人なら…!思った。柳下氏は知り合いなので今度聞いてみよう( ´◡` ) 今短編「Finger」の訳をしているが、こううまくは行くまい