内容説明
近藤誠理論も、現代の医療界にもそれぞれ問題点があると指摘する町医者による、主治医に訊けない“絶対患者目線”のがん治療論。ステージ4スキルス胃がんを元気に生きる女性との対談録も収載。
目次
第1章 マンガ「ハーメルンの笛吹き男」
本書を書く理由―どうして「近藤誠本」が売れ続けるのか?
第2章 「私は、手術も抗がん剤もしたくありません。近藤誠さんの本を読んだからです。間違っていますか?」(これって本当!?がんに殺されるのではなくて、抗がん剤治療に殺される!?;これって本当!?医者の「押しつけ」は、大病院も近藤誠氏も同じ!?;これって本当!?ステージ4患者が食い物に!? ほか)
第3章 対談 長尾和宏×渡邊こずえ「放置していたら、今はない」
著者等紹介
長尾和宏[ナガオカズヒロ]
1984年東京医科大学卒業、大阪大学第二内科に入局。1995年兵庫県尼崎市で開業。複数医師による外来診療と在宅医療に従事。医療法人裕和会理事長、長尾クリニック院長。医学博士、日本尊厳死協会副理事長、日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、エンドオブライフ・ケア協会理事、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本禁煙学会専門医、日本在宅医学会専門医、日本内科学会認定医、労働衛生コンサルタント、関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぱんにゃー
102
【医療界全般vs近藤誠vs長尾和宏】 良い悪いの二元論で考えると三つ巴の戦いになってしまいます。 『「中庸でいこう」と考えると、あらためて僕は、近藤誠氏と似ているなと思うところもある』 // 私は、「悪い所ばかり」見ていました。本を読むようになり、「良い所も」見ることが出来るようになりました。 「中庸」(どちらにも偏らない、ぶれない心の持ち方)という言葉すら知りませんでした。 いまは、ちょっとわかるようになりました(^ω^)2016/05/13
mari
21
なんでも極論はダメだなぁと、長尾先生の本を読んで気付かされた。私も近藤先生の方に傾いていたから。2015/09/22
sas
19
「近藤誠理論」に対する反論本。どんな考え方にも100%正しいと言い切れないので、反論する意見を読むのは大事だ。従って、この人の意見も100%理解、賛成はできないが参考になることもあった。しかし、反論が、科学的実証の結果ではなく、考え方、物事の捉え方の違いのような箇所も多々あり、説得力が弱かったところが多かった。まあ、一つの意見として聞いておこう。2016/07/31
白義
12
近藤誠のそれぞれの主張に○☓方式で判定を下していて明快さ、わかりやすさは特化している。それだけに勝俣本のような丁寧さはないがその分近藤誠理論、とりわけその「がんもどき」理論のおかしさはダイレクトに伝わってきた。読んで驚愕したが、がんもどき理論、放置療法には反証可能性というものがないのである。あるがんを放置して、いつまでも生きていたらただのがんもどきだからセーフで治療の必要なし。死んだら本物のがんだったのだが、それでも転移したがんにはもはや治療など無意味だから放置が正解で医療に殺された、というのは無茶苦茶だ2017/08/29
ハル
9
何事も人任せにしてはいけない。医療も然り。病を得たその命は誰のものか。他の誰でもない「わたし」のものではないのか。治療するも放置するも己れで選ばねばならない。選ぶために、広く知ることがどれほど重要か。知って、選んで、それに必要な手助けを得る。それが医療や緩和ケアの専門家だったり、家族の協力や経験者の教えだったり。死ぬことがつらいのではない。自分が納得できぬまま死んでゆくことがつらいのではないのか。どう生き、どう死にたいのか。その柱がしっかり立っていなければ、ただ死を恐れるばかりになってしまう。2020/08/30