出版社内容情報
《内容》 解剖学を初めて学ぶ医学生のために,必須の基本知識をまとめた新しいテキストブックである.混乱を招きがちで不必要な用語の羅列や無駄な記述は一切省き,しかも基本的な事柄は重点的に解説し,著者自身の模式図を多数配して本当の意味でのminimum requirementを平明に記している.知識の整理,記憶など自習書として,また実習の手引きとして最適の新しいスタイルの教科書である.はじめに 昭和42年,3年の話であるが,解剖学を学び始めた時の教科書は,3分冊の分担解剖学か,日本人体解剖学〈金子丑之助著〉を使う学生がほとんどだった.教科書の種類は少なく,選択の幅は狭かった.解剖学を教える立場になってから改めて読み直してみて,解剖学の教科書としてこれらの本のレベルはいずれも極めて高いと再認識した.しかし学生時代にそのどこまで読み込めていたかはなはだ心許ないというのが本音である.10年ほど前,イギリスの医科大学で研究する機会を得た.大学の図書館や専門の書店で解剖学関係の本を探すと,Gray's Anatomyのような伝統的な大冊の教科書に混じって,コンパクトでしかも個性豊かな参考書がたくさん並んでいた.学生が解剖学に興味を覚えるようにつくられた教科書が多数あって,選択肢の広さが羨ましかった.例えば,Ellis H.のClinical Anatomyはそのなかの優れた一冊である.日本でも今では教科書の種類が増え,選択の範囲が以前より広まったように思う.しかし,解剖学の授業が低学年化し,短縮化する最近の急激な変化の中で,解剖学をはじめて学ぶ学生のための参考書類の環境は整っているとはいえない.先生の推薦する分厚い教科書を前に,解剖学をどうやって勉強したらいいか,実習をどうしようか溜息をついている(二十数年前の私の様な)医学生が少なくないと思う.自学自習用の参考書兼ワークブックとしてこのテキストを書いた. 本書をまとめるに当たり,模型図の仕上げを川崎医科大学解剖学第二教室技術士の須田満寿美さんに手伝っていただいた.校正は岩月宏彦博士と技術士の板野ちか子さんにも協力いただいた.多大の援助に深く謝意を表したい.また,この本のため倉敷まで数度足を運ばれた中外医学社企画部の小川孝志氏,ならびに編集部の久保田恭史氏に深く感謝する.1995年3月著者 《目次》 目次1.人体解剖学・組織学の基礎知識1.1細胞の基礎知識 11.1.1膜性細胞小器官の種類と特徴 21.1.2非膜性細胞小器官 21.24種類の組織 21.2.1上皮組織 41.2.2支持組織 41.2.3筋組織 41.2.4神経組織 61.3器官と器官系 62.骨と関節2.1器官としての骨 82.2骨の連結と関節 82.2.1骨連結の種類 82.2.2関節の構造 102.2.3靱帯 102.3脊柱 102.3.1椎骨の基本構造 122.3.2椎骨の連結と脊柱の弯曲 122.3.3特殊な連結をする椎骨 142.4胸郭 162.4.1肋骨の特徴 162.4.2胸骨 182.4.3胸椎,肋骨と胸骨の連結 182.4.4胸郭の形態 202.5上肢 222.5.1上肢帯の骨と連結 222.5.2自由上肢 242.6下肢 302.6.1下肢帯 302.6.2自由下肢 322.7頭蓋 382.7.1頭蓋の構成 382.7.2脳頭蓋 402.7.3顔面頭蓋と内部構造 442.7.4下顎骨と舌骨 462.7.5特殊感覚器官と頭蓋骨 482.8体表の区分と骨格系 483.筋と関節運動3.1筋と腱と関節運動 503.1.1筋の起始と停止 503.1.2腱の種類と筋 503.1.3筋と腱の構造 503.1.4関節運動の方向 523.1.5運動神経 523.2頭部の筋 523.2.1表情筋 523.2.2顎関節の運動にかかわる筋 543.3頸部の筋と背筋 543.3.1頸部浅層筋 頸部腹側 543.3.2頸部深層筋 頸部腹側 563.3.3頸部の筋間隙 563.3.4頭蓋と頸椎を結ぶ筋 頸部背側 573.3.5背筋〈固有背筋 脊柱の後屈〉 573.4上肢の筋 573.4.1上肢を体幹を結ぶ筋 583.4.2肩関節の運動にかかわる筋 583.4.3肘関節の運動にかかわる筋 603.4.4橈骨手根関節の運動にかかわる筋 603.4.5手の筋〈3筋群〉 623.5下肢の筋 623.5.1股関節の運動にかかわる筋 623.5.2膝関節の運動にかかわる筋 643.5.3距腿関節の運動にかかわる筋 663.5.4足の筋 683.6体腔壁を支持・補強する筋 683.6.1胸壁と腹壁の筋 683.6.2横隔膜 703.6.3骨盤腔と会陰の筋 724.循環器系 心臓と脈管4.1基礎知識 764.1.1血液の循環経路 764.1.2リンパの循環経路 764.1.3血球 784.1.4心房・心室と血管との接続 794.1.5心臓壁・血管壁の基本構造 794.2心臓 804.2.1心臓壁の構造 804.2.2心臓の胸郭内位置 824.2.3心臓と血管の連結 844.2.4心臓表面の溝と内部構造 844.2.5右心系〈右心房と右心室〉 864.2.6左心系〈左心房と左心室〉 904.2.7線維輪と心房・心室中隔 904.2.8心臓の血管系〈冠状血管〉 924.2.9特殊心筋と心臓への神経 944.3血管系 964.3.1動脈,毛細血管,静脈の構造 964.3.2主要な動脈 964.3.3静脈系 1024.4リンパ系 1044.4.1体幹のリンパ管系 1044.4.2リンパ組織 1065.消化器系5.1消化器系の構成 1085.1.1消化管の経路 1085.1.2消化管の基本構造 1085.1.3付属腺 1105.2口腔 1125.2.1歯 1125.2.2舌と口腔底 1145.5.3軟口蓋と口峡の筋 1165.2.4唾液腺 1165.3咽頭 1185.3.1鼻部 1185.3.2口部と喉頭部 1205.3.3咽頭の筋 1205.3.4咽頭の外膜 1205.4食道 1205.4.1食道の走行 1205.4.2走行と生理的狭窄部位 1215.4.3食道壁の構造 1215.4.4血管の分布 1215.5胃 1225.5.1部位の名称 1225.5.2隣接臓器との関連 1225.5.3胃の血管と神経 1245.5.4胃粘膜と胃腺 1245.6小腸と膵臓・肝臓 1265.6.1小腸の構成と基本構造 1265.6.2十二指腸 1285.6.3空腸と回腸 1285.6.4膵臓 1305.6.5肝臓と胆道系 1325.7大腸 1385.7.1大腸の構成 1385.7.2大腸と小腸との違い 1385.7.3大腸と腸間膜 1405.7.4盲腸と虫垂 1405.7.5直腸 1415.7.6肛門管 1416.呼吸器系6.1気道の経路 1446.2鼻腔 1446.3喉頭 1466.4気管・気管支 1466.5胸腔と肺 1486.5.1胸膜 1486.5.2肺 1486.6軌道と肺の組織構造 1516.7軌道と肺の血管 1526.7.1肺・気管の栄養血管 1526.7.2肺動脈・肺静脈 1527.腎・尿路と生殖器7.1泌尿器と生殖器 1547.2腎臓と尿路 1547.2.1泌尿器と隣接器官 1547.2.2腎尿路の血管 1567.2.3腎臓 1567.2.4腎盂と尿管 1587.2.5膀胱 1607.2.6尿道 1607.3生殖器系 1627.3.1男性生殖器 1627.3.2女性生殖器 1668.内分泌器官8.1内分泌とは? 1718.1.1内分泌と外分泌 1718.1.2神経内分泌 1718.1.3内分泌腺の由来 1728.1.4内分泌腺の形態 1728.2甲状腺と上皮小体 1728.2.1甲状腺 1728.2.2上皮小体 1748.3副腎 1748.4下垂体 1749.中枢・末梢神経と感覚器9.1中枢神経と末梢神経 1789.1.1神経系の分類 1789.1.2中枢神経を覆う膜構造 1809.2脳と脳神経 1809.2.1脳と脳室 1809.2.2大脳 1829.2.3間脳 1849.2.4中脳 1869.2.5小脳 1889.2.6橋 1889.2.7延髄 1929.3脊髄と脊髄神経 1939.3.1脊髄の外観 1939.3.2脊髄の内部構造 1939.3.3脊髄神経 1949.4自律神経系 1969.4.1交感神経系 1989.4.2副交感神経 1989.5感覚器 1989.5.1視覚器 2009.5.2平衡感覚・聴覚器 2049.5.3皮膚と筋の感覚装置 206索引 211
内容説明
本書では「精神保険福祉士」のために必要と思われる「精神保健学」について広範に述べられている。
目次
第1章 精神保健についての基本知識
第2章 ライフサイクルにおける精神保健
第3章 精神保健における個別課題への取組み
第4章 精神保健活動の実際
第5章 地域保健と精神保健
第6章 世界の精神保健