内容説明
1990年、真木太一(農業気象学者)は初めて、中国の沙漠に足を踏み入れた。延々と続くトルファンのシャンシャン砂丘、ウイグル語で、二度と出られない死の沙漠という意味を持つタクラマカン沙漠―憧れの地は、気温48℃、地表温度85℃、冬には-25℃、おまけに高温乾燥や低温強風など、想像以上に厳しい環境だった。観測に出かけて、方向を見失い、水が尽きるような危険な状態にあったことも一度ではない。その地で8年間、研究を続け、いま、彼らの植えた草や木が、沙漠化をくい止め、緑化に威力を発揮しはじめている…。
目次
砂丘の虜
砂の紋様
風の造形
水の造形
砂に根を張る
押し寄せる砂と乾燥
緑の沙漠を夢見る