本文の生態学―漱石・鴎外・芥川

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本文の生態学―漱石・鴎外・芥川

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  • サイズ B6判/ページ数 168p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784888882064
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

目次

序章 「本文」は生きている
1章 『漱石全集』の本文を考える―『吾輩は猫である』を通して
2章 印刷工程に起因する本文異同―『吾輩は猫である』『坊っちゃん』を通して
3章 底本選定のあり方を考える―森鴎外『舞姫』を通して
4章 本文批評と校訂の実際―芥川龍之介『羅生門』を通して

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きつね

5
「写本を扱う時代ならともかく、大量印刷の近代文学で本文(ほんもん)校訂なんて意味あるの?」というあなたに。「日本語の本文推移の問題に無知のまま、日本語や日本文学が教えられるとは考えない方がいい」とは著者の言。『銀河鉄道の夜』さながら、『坊っちゃん』初出の活字拾いをする職人達の姿を再現してみせる、緻密な実証。テキストクリティークならぬテクスチュアルクリティシズム入門(要はドイツ文献学でなく英米書誌学の底本理論に準拠)。目次http://ow.ly/1LvjK3著者HP http://ow.ly/1LvlTi2012/05/01

NASUCUBE

2
我々は文学のどういう位相に置かれて”読まされているのか”について教えてくれる本。出版社ごとの本文遷移、原稿に”署名”する見えない作者としての植字担当者たちのはたらき(ルビの振り方、仮名の送り方、会話の言葉遣いに彼らは個性を持って創作を発揮する)。草稿再構成の終わりのない作業をいつ”中断して作品ということにする”のか。作家の友人の手が入った稿は誰の作品か。原本という概念が有効な場所が現実に存在するのか。無数の作者が関与する無数の生成/編集過程は湮滅され、我々は店頭で”作家と作品という捏象”を購入している。2014/10/08

ねぎとろ

0
神は細部に宿る。なにがその作品の「本文」なのか、を確定するのがこれほど大変とは、目からいろいろと鱗が落ちた。あとがきで当てこすられてるのは江藤淳か?2021/08/22

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