出版社内容情報
第46回(平成5年度)新潟日報文化賞受賞;従来の日本史研究が,幕府など中央の法令や編纂史料によって,支配者からみたものになっていたことを,佐渡の村方の一枚文書を集めて,村と百姓の実態を明らかにして証明し,定説に訂正を迫る。転換期の日本史への大きな警鐘であり,最先端を走る実証史学の金字塔である
内容説明
民衆史を言いながら民衆を見ない―。法令と幕府の文書からは、絶望的な一揆を起こして挫折する百姓しか見えない。現世利益の信仰と無宗派の念仏、心中の流行と心中をテーマにする相川音頭、そこに18、19世紀の一揆を重ねて湧き上る民衆のエネルギーを見る。新しい地方史の誕生。
目次
第1章 戦国期の商業
第2章 近世都市の誕生―鉱山町相川
第3章 外来技術と日本文明
第4章 地方市場の展開過程
第5章 商業社会への曲折
第6章 産業資本への道
第7章 一揆と商業
第8章 庶民の信仰
第9章 庶民と文化
第10章 村の幕末―時代と庶民