出版社内容情報
稲作農耕に随伴する稲霊信仰と記紀神話との共通要素と対応関係を抽出し、王権の支配領域の中心を出雲が占めた根拠を徹底論証する。
菊地 照夫[キクチ テルオ]
法政大学兼任講師
内容説明
文献史学に隣接する種々の研究成果を援用して、稲作農耕に随伴する稲霊(いなだま)信仰と記紀神話との共通要素と対応関係とを抽出。律令制以前における祭儀の復元作業を行なうなかで、出雲国が王権の支配対象領域の宗教的中心を占めるに至った歴史過程を徹底論証する。
目次
日本古代史における出雲の特殊性の解明に向けて
第1部 稲霊信仰と宗教的世界観(オオナムチ・スクナヒコナの国作り神話と稲霊信仰;アメワカヒコ神話と稲霊信仰;海神宮訪問神話と井戸の祭祀―島根県青木遺跡の井泉遺構をめぐって;古代王権と船あそび―五世紀の王権の宗教的世界観と王位就任儀礼)
第2部 ヤマト王権の宗教的世界観と出雲の玉をめぐって(ヤマト王権の宗教的世界観と出雲;出雲国忌部神戸をめぐる諸問題;古代王権と出雲の玉)
第3部 ヤマト王権の新嘗と祈年祭(ヤマト王権の新嘗と屯田―顕宗三年紀二月条・四月条に関する一考察;ヤマト王権の祈年祭とその祭神・祭儀神話;ヤマト王権の祈念祭と三輪・葛城の神;毒流し漁とヤマト王権の祈雨祭祀)
第4部 出雲国造神賀詞奏上儀礼をめぐって(出雲国造神賀詞奏上儀礼の意義;出雲大神の祭祀と物部氏のタマフリ儀礼―神賀詞奏上儀礼成立前史の一考察)
出雲国造神賀詞奏上儀礼と祈年祭
著者等紹介
菊地照夫[キクチテルオ]
1959年東京都に生まれる。1982年国学院大学文学部史学科卒業。2001年法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士課程後期単位取得満期退学。現在、都内高校教員、法政大学非常勤講師、島根県古代文化センター客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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