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ユーラシア・ブックレット
「おおきなかぶ」のおはなし―文学教育の視点から

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  • サイズ A5判/ページ数 63p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784885957499
  • NDC分類 388.38
  • Cコード C0336

内容説明

小学校の教科書にも採録され、子どもたちにとってはポピュラーなロシアの昔話について、日本への移入と翻訳の経緯をまとめ、紹介。

目次

1 「おおきなかぶ」の4つの原話
2 「おおきなかぶ」の4つの再話
3 小学1年生が読んでいる「おおきなかぶ」(アレクセイ・トルストイ原作)
4 日本への「植えかえ」
5 国語教科書問題(1979~1980)
おわりに 文学教育の視点から

著者等紹介

田中泰子[タナカヤスコ]
東京都生まれ。モスクワ民族友好大学卒。大阪外国語大学(現大阪大学)ロシア語科で(37年)教鞭をとり、現在は梅花女子大学児童文学科でロシア児童文学を担当。ロシア児童文学・文化研究会「カスチョールの会」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

晴天

1
小学校の国語教科書として古くから収録され、絵本でも劇でもおなじみの『おおきなかぶ』について、その物語の奥深さ、翻訳の難しさ、そして外国の、なかんずくロシアの物語を国語教科書に収録することへの苦言とそれへの激しい抵抗を描く。ロシア語の音の面白さをいかに翻訳するかは非常に難しい。そしてネズミの小さな力で抜けたことの寓話的な意図を強調するため引く順番を変更したことは翻訳として反則ではないか、とも述べる。そして教科書からの排斥の声の愚昧ぶりとそれに対抗するあまり同じ土俵に乗ってしまう当時の様には嘆息するしかない。2022/02/26

narmo

1
面白かった!そして深い。国語と道徳は紙一重になりがちなのはわからなくはないけど、国語という授業は文学作品を味わう感性を育てるモノであってほしいなと思いました。「おわりに」に書かれている、子どもたちの貧しい文化状況の中で、子どもに力を与えるのは優れた文学(と人間的なふれあい)、という著者の意見に大賛成!ちょっと前に『ロシアの学校』という本を読みました。そこでロシアの教育カリキュラムに「国語(ロシア語)」の他に「文学」があると紹介されていましたが、「文学」を主眼にした授業があってもいいと思うな~。2017/09/19

タッキー

0
校外の研修講師として参じるために教材研究のために購入。「へえー。」「ほおー。」と感心することしきり。その後、研究論文の世界へ誘ってくれた。つまるところ、ぎりぎりの教材研究こそ、自分にも相手にも得るものが大きいことを再認識させてくれた一冊。教材観があり、その上で児童観、指導観と進む。残念ながら自分の授業ではないので児童観は書けなかったが、私なりの指導案を作成し、協議会に臨んだ。大いに感謝された。否、私が勉強になったのだ。2017/06/09

O. M.

0
本書によると、2007年時点で日本の小学一年生の教科書全てにおいて、ロシア原作の「おおきなかぶ」が採用されているという。確かに、私も小学校の頃だったか「おおきなかぶ」読んだ覚えがありました。ロシア原作の話だったんですね。本書はこれをテーマに、海外文学の翻訳時の課題や、教育における児童文学選定の課題などを論じており、ロシア情報というよりは、教育関係者の方が読むべきレポートといった感じです。2014/04/02

そーすけ

0
有名な「おおきなかぶ」に、こんな複雑な背景があったとは! 翻訳は中々大変で難しい問題なのだな。「教科書問題」については、知らなかった。文学作品に、余計な道徳的意味をつけるなとの主張には、賛成。2013/12/15

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