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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
44
天網恢恢疎にして漏らさずって言うじゃないですか、天の網はつまり勧善懲悪ってことですよね?しかし人と言うのは善悪の狭間にいて、そんなに極端なふり幅ではないところで笑い、泣き、生きて死んでいくのではないでしょうか。近藤ようこの網恢疎にして人の機微とやさしさと涙を漏らさず(うわっ、語呂がいい悪いどころではないですね。Keiのセンテンスセンスの網……ごめんなさい、やめます)、普通に生きている人の普通の生活の中での心の揺れ、震えを丁寧に描きだしていて、最後がふわりとあたたかいのが実に良いです。良いなあ、近藤ようこ。2020/03/08
aof
3
生々しかった。読んだタイミングにもよるのかもしれないけど、リアルというか、心の中にかすかにあるけど、無いことにして見ないようにしている孤独や不安やもやもやを、一つ一つ拾っているようなストーリーだった。恋愛はやっぱり苦手だなぁ、と思い知らされる感じ。2018/02/01
gachin
2
作者解説にあったように、本書は不幸ではなく不仕合せを描いている。近藤ようこ作品の雰囲気の源泉はこれだったのかと腑に落ちた。それがクールだけどドライではない物語を可能にしてたんだな。秀逸なアイデアだと思う。2019/12/22
あらき
2
どのお話もよかったけどボディコンの女の子が主人公のお話が特に好きだった2016/05/02
龍國竣/リュウゴク
2
職場のいやみな女も、幸せをつかんだ女の妹も、それぞれに物語がある。十一人の女性を主人公に据えた短篇集。女心の機微を描いて、結婚、職場、離婚、共働き、様々な主題で展開される。最後の「もうあなたは家庭へとりこまれたのよ」という台詞が印象的でした。2011/09/29