内容説明
「いい音ってなんだろう」と常に問いかけながら調律ひとすじの人生を歩んだ著者。総部品8000余点からなるピアノをピアニストたちにとって常に最高の状態で提供してきた調律師、今初めてその秘密のすべてを語る。
目次
第1章 ピアノ調律師ってどんな職業?
第2章 なぜピアノ調律師に
第3章 ピアノ調律師・北海道での修業
第4章 ピアノ調律師・東京銀座へ
第5章 営業・企画マン時代
第6章 ヨーロッパひとり旅
第7章 ミケランジェリの演奏旅行
第8章 ヨーロッパ音楽祭めぐり
第9章 リヒテルの調律
第10章 地中海・音楽クルージング
第11章 ピアニスト・ピアノ調律師
第12章 知って得するピアノのしくみ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古西 広之
6
東洋の魔術師と呼ばれた調律師の回想録。 ヤマハがコンサートピアノを発売する以前、ヤマハの調律師として欧州へ出張した著者は縁あって調律したピアノでミケランジェリ、リヒテル、ポリーニと次々に専属契約に近いものを求められる。 欧州にヤマハのピアノなどなく、調律するのは他社のピアノばかりなのに、一度調律するだけで巨匠と呼ばれるピアニストから気に入られるのは何故なのか、謙虚でひたむきな仕事ぶりから答えが見えてくる。 やがてこの調律経験を反映してコンサートピアノ、ヤマハCFが生まれ欧州にも広がっていく。2017/12/20
ヤマセミ
4
「どんなピアノでもストラディバリウスになる」とまで評価された著者が、淡々とヤマハの調律師として歩んだ人生を語る。調律というものはもっと機械的なものかと思っていたが、ピアニスト、演奏する曲、会場に合わせて、実に繊細な調整をするということがよくわかった。2017/05/27
月華
3
図書館 2001:年1月第1刷発行。2001年3月第3刷。ピアニストの好みの調律をするセンス。相性の良い調律師と出会うことはピアニストにとっても幸運なことなのかなと思いました。最後にピアノの歴史と仕組み。モーツァルトやベートーベンが使っていたピアノは現在のピアノとは違うというのは考えたことがないなと思いました。今増えているストリートピアノの調律はどうしているのかと、本書には全く関係の無いことを考えてしまいました。2020/08/10
Hiroki Nishizumi
2
調律師としての半生記。淡々と書かれていて、残念ながらあまり感じるところがなかった。2015/10/26
あんさん
1
いい音が何かは端的には書かれていなかったが、いいピアニストはいい調理師を求めることがよく分かった。きっとこの方は感受性が豊かでコミュニケーションにも長けた方なんだろうなと思った。2019/08/14