内容説明
江戸の人々の生活を支える流通の大動脈として利根川水系が機能していた時代―河には身体一貫、天候を読み、同乗する者と息を合わせ、川船を漕いで行き来する船頭たちの誇り高き世界があった。利根水系を舞台に、川に生きた家族三代の、風と水が織りなす物語。
著者等紹介
大屋研一[オオヤケンイチ]
1939年、渡良瀬の畔、栃木県足利郡小俣町に生まれる。早稲田大学で英米文学を学ぶ。これまで故郷の百五十年に取り組んだノンフィクション『渡良瀬川』をはじめ、朝鮮動乱の頃の里山を舞台にする長編小説『少年たちの欅』、敗戦前後の幼少体験を描く短編小説集『むかしの少年も闘っていた』など、いずれも足利で過ごした著者の原風景が息づく作品群を発表してきた。今回は、江戸から明治期にかけての渡良瀬川に繰りひろげられる時代小説の形で結実した。小説『泥の街』『ロギング・ロード』で第一一回、第一二回さきがけ文学賞選奨、『愛山渓』で芭蕉生誕三百年を記念する奥の細道文学賞優秀賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。