目次
月日貝
お魚の春
魚売りのおばさんに
魚のよめ入り
子どもと潜水夫と月と
なぞ
つくる
墓たち
はまの石
海の子ども
いそがしい空
昼と夜〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
145
同じ場所にいて、同じものを見て、でもなぜか感じ方が違います。金子みすゞさんは、人がなかなか感じたり気づくことのできない視点、自らの道をもっています。今日見上げる空や雲、月や星の輝きを、純粋ですっきりした詩のテンポにのって、軽快に踊っているよう。読み終わると、みすゞさんの路をスキップして歩いているような、爽快な気分になれます。自然と笑顔になります。~スズメのようにぴょんぴょんと、路を歩いて見上げます。空のお雲はまん丸で、わたしの心もまん丸で~…忘れていた童心を思い出します。心を解放して、このみちをゆこうよ。2021/07/14
れみ
53
3冊ある金子みすゞさんの童謡集のうちのひとつ。やっぱり、言葉が美しく温かく、それでいてハッとさせられる。このなかで印象に残ったのは「草山」「ごてんのさくら」「羽ぶとん」「おもちゃのない子が」。だけどいちばんは「硝子と文字」。2015/02/08
chatnoir
22
「月日貝」がロマンティックで美しくて好き。ホタテっぽい形で色が綺麗な貝ですよね...カムイ外伝にも出てきたなぁ。後は蕨の穂を手に例えた詩(うた)が良かった。このシリーズでは全三冊...もう少し挿絵が美しく入った保存版みたいな本を読みたいな。2018/07/25
吉野ヶ里
20
金子みすゞを悲しい詩人だと見ていた。純粋さと現実の二律背反に苦しめられた人だと。もしかしたら、彼女は案外楽しく生きたのかもしれない。そこそこ悲しくて、そこそこ楽しくて、そんな普通の人だったのかもしれない。自分の視点の狭さと偏見に嫌気がさす。優しい人間を素直に優しいと認めたいのに、裏側についた傷ばかりさがそうとしてしまう。金子みすゞはどんな人間だったのだろう。2014/11/11
*すずらん*
19
みすゞさんの世界観って、絶対に 子供の頃にはあった筈なのに、大人になるに連れて失っていったもの。逆に言えば、この世界観で大人の世界を生きることは、過酷すぎるのかもしれない。みすゞの優しくて繊細な心は、ボロボロに傷付いてしまったのかもしれない…2012/12/18