新材料シリーズ<br> 最先端の機能膜技術―未来の膜技術を展望する

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新材料シリーズ
最先端の機能膜技術―未来の膜技術を展望する

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  • サイズ B5判/ページ数 241p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784882314905
  • NDC分類 571.4
  • Cコード C3058

出版社内容情報

★あらゆる分野の膜技術を網羅
★従来の機能膜に応用分野を広げた最新技術を紹介
★環境負荷低減をめざし,今後の技術開発のヒントとなる情報を満載


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 編者はカナダ国立科学研究評議会化学研究所において1988年より1990年にかけて松浦剛博士のグループで客員研究員として滞在させて頂き,高分子膜の研究に携わった。オタワでの膜研究を終え日本への帰国の途についたとき,帰国後何か日本の膜学に貢献することをしたいと機中にて漠然と考えていた。帰国後もそのように思っていた折にMarcel Mulder博士の手によるBasic Principples of Membrane Technologyの初版本に出くわした。勿論,日本人膜研究者により書かれた多くの膜学関連の書物もあったが,この本は膜素材である高分子化科学から膜工学までをも網羅しており,これこそ使命と考え,多くの日本人膜研究者ならびに元日本人膜研究者である松浦剛博士のお手を借りて,Basic Principples of Membrane Technology Second Editionを「膜技術」というタイトルでアイピーシーより1997年にこれを訳本として出版するに至った。この作業をおこなっているときよりこれまで,訳本では無く,わが国の膜学の第一線において活躍されておられる研究者による膜学に貢献する書物を作ることがかなわないものかと心に思っていた。そのような思いを胸に抱きながらもなすすべもなく日々の教育と研究とに追われていたとき,シーエムシー出版の門脇孝子氏より本書の編集のお誘いを頂いた。そのお話を伺った当初は,編者にとっては役者不足であると考えお断りしていたが,恩師である清水剛夫博士の勧めも手伝い,十年来の思いを果たすべく,本書の編集をお引き受けすることにした。お引き受けしたものの,小生一人でこのような大著を執筆することなど到底不可能なことである。そこで,国内はもとより世界の膜学を牽引されておられる多くの執筆者の助けをお借りすることにより,ようやく本書の出版に辿り着いた。本書がわが国の膜学,その中でも取り分け,人工膜の発展に寄与することを切に希望すると共に,そうなるであろうことを確信している。最後に,本書の出版において御尽力頂いたシーエムシー出版の門脇孝子氏に感謝する。
(2005年2月 吉川正和)


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清水剛夫 京都大学名誉教授 (株)KRI 特別顧問
吉川正和 京都工芸繊維大学 高分子学科 教授
喜多英敏 山口大学 工学部 機能材料工学科 教授
中尾真一 東京大学 大学院工学系研究科 教授
都留稔了 広島大学 大学院工学研究科 物質化学システム専攻 助教授
原谷賢治 (独)産業技術総合研究所 環境化学技術研究部門 副研究部門長
谷岡明彦 東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授
青木隆史 京都工芸繊維大学 繊維学部 高分子学科 助教授
伊藤直次 宇都宮大学 工学部 応用化学科 教授
高羽洋充 東京大学 工学系研究科 化学システム工学専攻 助手 
井上岳治 東レ(株) 地球環境研究所 研究員
山口猛央 東京大学 大学院工学系研究科 化学システム工学専攻 助教授
酒井清孝 早稲田大学 理工学術院 応用化学専攻 教授 
鍋谷浩志 (独)食品総合研究所 食品工学部 反応分離工学研究室 研究室長
都甲潔 九州大学大学院 システム情報科学研究院 電子デバイス工学部門 教授
樋口亜紺 成蹊大学 工学部 応用化学科 教授
尹富玉 成蹊大学 工学研究科 応用化学専攻



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概論編

第1章 機能性高分子膜(吉川正和)
1. はじめに
(1) 凝集分離材料
(2) 吸着分離材料
(3) 膜分離材料
2. 近年の機能性高分子膜研究の動向
3. 膜素材としての高分子
4. 今後の機能性高分子膜研究

第2章 機能性無機膜(喜多英敏)
1. はじめに
2. 緻密膜
3. 多孔質膜
4. おわりに

機能編

第3章 液体分離膜(中尾真一,都留稔了)
1. はじめに

2. 液体分離膜の最近の動向

3. 非水系ろ過膜

4. 無機膜の開発
4.1 無機膜の特徴と製法
4.2 市販無機膜およびその応用分野
4.3 無機ろ過膜の開発と応用

5. おわりに

第4章 気体分離膜(原谷賢治)
1. はじめに

2. 膜の種類と気体透過機構
2.1 非多孔質膜での溶解拡散流
2.1.1 高分子膜
2.1.2 液体膜
2.1.3 金属膜,酸化物膜
2.2 ミクロ孔膜での透過
2.3 メソ孔膜での透過
2.4 抵抗モデル

3. 気体分離膜開発研究の進展
3.1 自由体積の設計と拡散速度
3.2 溶解選択性の付与
3.3 水素排泄型膜
3.4 ミクロ孔無機膜の進展
3.5 非多孔質無機膜

4. 混合気体の分離
4.1 分離性能の計算式
4.2 膜表面での濃度分極

5. 気体分離膜モジュールの設計法
5.1 フローモデルとモジュール設計式
5.1.1 完全混合
5.1.2 並流プラグフローと向流プラグフロー
5.1.3 十字流プラグフロー
5.2 圧力損失の問題
5.3 逆混合の問題

6. おわりに

第5章 有機液体分離膜(吉川正和)
1. はじめに

2. 浸透気化の特徴

3. 浸透気化装置のデザイン

4. 透過速度と分離係数

5. 浸透気化の実際
5.1 透過側圧力
5.2 供給側圧力の影響
5.3 操作温度の影響
5.4 膜厚の影響
5.5 浸透気化に影響を与えるその他の因子

6. 膜透過式

7. 浸透気化膜の設計

8. 膜内における透過物質の状態と浸透気化性能

9. 浸透気化において注意すべき点
9.1 透過選択性発現機構の解明
9.2 分離係数
9.3 浸透気化と蒸気透過

10. 展望
 
第6章 イオン交換膜(谷岡明彦)
1. イオン交換膜の現状

2. イオン交換膜の選択性

3. イオン交換膜における輸送原理

4. 最近のイオン交換膜におけるイオン輸送理論の進展
4.1 膜電位
4.2 Donnan電位
4.3 拡散電位
4.4 有効荷電密度
4.5 膜中のイオン稼動度

5. 今後のイオン交換膜
5.1 R.MacKinnonのカリウムチャネル
5.2 膜のファウリング対策

第7章 液体膜(青木隆史)
1. はじめに

2. 液体膜の安定性

3. 高分子から構成された液体膜

4. 室温以下にTgを有する高分子液体膜
4.1 ABA型ブロック共重合体
4.2 櫛形共重合体

5. おわりに

第8章 触媒機能膜(伊藤直次)
1. はじめに

2. 触媒膜材料
2.1 パラジウムおよびその合金
2.2 銀
2.3 固体電解質
2.3.1 酸素イオン伝導体
2.3.2 水素イオン伝導体
2.4 リン酸(プロトン伝導体)
2.5 混合伝導体
2.6 ゼオライト膜
2.7 触媒担持多孔質膜

3. 触媒膜を利用した反応
3.1 パラジウム系膜
3.1.1 脱水素反応
3.1.2 水素化反応
3.1.3 二つの反応のカップリング
3.2 銀膜
3.3 イオン伝導体
3.3.1 炭化水素の熱分解等
3.3.2 水蒸気, ニ酸化炭素分解
3.3.3 酸化脱水素反応
3.3.4 部分酸化反応
3.3.5 メタンの二量化
3.3.6 メタンの部分酸化
3.4 ゼオライト膜
3.5 触媒担持膜
3.5.1 バナジウム担持多孔質アルミナ
3.5.2 ヘテロポリ酸担持多孔質膜

4. 触媒膜反応の最近の事例(還元的酸化反応)
4.1 背景
4.2 パラジウム膜中の水素挙動
4.3 パラジウム触媒膜の作成法
4.4 反応原理の仮説
4.5 反応試験結果
4.5.1 反応器および試験方法
4.5.2 反応原理の実証試験
4.5.3 反応試験結果の一例

5. おわりに

第9章 新しい膜性能推算法(分子シミュレーション)(高羽洋充)
1. はじめに

2. 計算方法の概要
2.1 原子間ポテンシャル関数と相互作用パラメータ
2.2 直接シミュレーション計算方法
2.3 透過理論との組み合わせ法
2.3.1 溶解-拡散モデル
2.3.2 表面流れモデル

3. ポリマー膜性能の評価例

4. 無機膜性能の評価例
4.1 直接法による計算例
4.2 透過理論との組み合わせ法による計算例

5. おわりに

応用編

第10章 水処理用膜(浄水,下水処理)(井上岳治)
1. 世界の水事情と水処理用膜分離技術

2. RO膜・NF膜
2.1 海水淡水化RO膜
2.2 かん水淡水化RO膜/NF膜
2.3 低ファウリングRO膜

3. UF膜・MF膜
3.1 飲料水製造
3.2 膜利用活性汚泥技術

4. インテグレーテッド・ハイブリッドメンブレンシステム

5. 水処理用膜分離技術の課題
 
第11章 固体高分子形燃料電池用電解質膜(山口猛央)
1. はじめに
2. 炭化水素系電解質膜
3. 細孔フィリング電解質膜の開発
4. 細孔フィリング電解質膜の作成および評価
5. 細孔フィリング電解質膜を用いた燃料電池性能
6. おわりに

第12章 医療用膜(酒井清孝)
1. 新しい医療技術
2. 人の命を助ける人工膜
3. 透析と透析膜
4. 優れた透析膜
5. 市販透析膜
6. 透析膜の構造
7. 新しい透析膜と将来への課題
8. 逆濾過膜
9. ウィルス除去膜
10. ガス透過(交換)膜

第13章 食品用膜(鍋谷浩志)
1. 食品産業における膜分離技術の沿革

2. 食品産業における膜分離技術の特徴
2.1 品質の向上が可能
2.2 工程の簡略化が可能
2.3 エネルギーコストの低減が可能
2.4 操作が単純

3. 食品産業における膜分離技術の応用例

4. 食品産業における膜技術の新たな展開
4.1 ナノろ過膜
4.1.1 牛乳及びホエーの脱塩
4.1.2 アミノ酸調味液の脱色
4.1.3 醤油の脱色
4.1.4 高濃度濃縮システム
4.1.5 オリゴ糖の精製
4.1.6 師脳性ペプチド精製
4.2 有機溶媒系での膜分離
4.3 分離以外の目的への膜技術の応用

5. おわりに

第14章 味・匂いセンサー膜(都甲潔)
1. はじめに

2. 味覚センサー
2.1 受容膜
2.2 基本味応答
2.3 応答メカニズム

3. アミノ酸とジペプチド
3.1 アミノ酸
3.2 ペプチドの味

4. コーヒー牛乳=麦茶+牛乳+砂糖

5. 食品への適用
5.1 ビールの味
5.2 ミネラルウォーター
5.3 ブドウ果汁の劣化

6. 医薬品の苦味

7. 味覚センサーで香りを測る

8 .匂いセンサー

9 .展望

第15章 環境保全膜(樋口亜紺,尹富玉)
1. 緒言

2. 内分泌攪乱物質の定義及び作用メカニズム

3. 環境中からの内分泌攪乱物質の除去法

4. 機能膜を用いた内分泌攪乱物物質の除去

5. 疎水性機能膜を用いた内分泌攪乱物質の吸着法による除去
5.1 様々な膜を用いた内分泌攪乱物質の吸着法による除去
5.2 活性炭とPDMS膜の吸着性の比較
5.3 母乳中の内分泌攪乱物質の除去及び分析
5.4 ミネラルウォーター中からの内分泌乱物質の除去

6. 疎水性機能膜をもちいた内分泌攪乱物質のペーバーパレーション法による除去
6.1 ペーパーパレーション法の原理と装置
6.2 加温下におけるパーベーパレーション法によるDBPCの濃縮と除去
6.3 分離係数の透過流量の膜厚依存性
6.4 分離係数と内分泌攪乱物質の分子量との関係
6.5 塩水溶液中における内分泌攪乱物質のPV 法による濃縮・除去
6.6 海水中における有機物質ならびに内分泌攪乱物質のPV法による分析

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目次

概論編(機能性高分子膜;機能性無機膜)
機能編(圧力を分離駆動力とする液相系分離膜;気体分離膜;有機液体分離膜 ほか)
応用編(水処理用膜(浄水、下水処理)
固体高分子型燃料電池用電解質膜
医療用膜 ほか)

著者等紹介

吉川正和[ヨシカワマサカズ]
京都工芸繊維大学高分子学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。