内容説明
親になるのはむつかしい。マタニティのあなたが、幼児と暮らすあなたが、身につけたら、一生もの。診療歴40年からみえてきた親子関係をつなぐ「3つの要素」。
目次
第1章 「見守り」の基本(「痛み」を訴えるとき(1)「あしがイタイ」という心のうち
「痛み」を訴えるとき(2)もし、心因性の腹痛だったら?
代替医療―不安を引き受けあっていくこと ほか)
第2章 なぜ、母はつらいのか(このつらさの出口は?;子育てのむずかしい子;実母と娘、やっぱり特別な関係? ほか)
第3章 「ひとり立ち」を思うとき(いじめている側は、悪いことをしていると思っていない;もっと、みんなでグッタリしようよ;過剰な性情報の中で育つ男の子たち ほか)
著者等紹介
石川憲彦[イシカワノリヒコ]
1946年、兵庫県神戸市生まれ。73年、東京大学医学部卒業。小児科医・精神科医として主に東大病院で臨床を重ね、そのかたわら障害児や親たちと“医療と教育を考える会”を結成し、活動を続ける。94年よりマルタ大学で2年間研究生活をすごし、静岡大学保健管理センター所長を経て現在、林試の森クリニック院長。『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
34
なんだか読みにくいと思っていたら、2冊の雑誌に掲載されていたものをまとめた本だったから。石川先生の言われるように10歳ぐらいから子どもは自立し始める。みまもるが大事。それが中々難しい。人間ってもともと弱い動物で、一人ていると不安。だから群れ=社会で支えあう。だから多数が正しいと思っていることにみんなで寄りかかれば安心。欲しいのは真実より救い。薬や予防接種、歯の治療など勧めないのが医者だと安心できるのも可笑しい。2015/06/11
ツキノ
13
雑誌『ち・お』『お・は』誌に掲載された特集やインタビューをまとめた、エッセイに近い本。子育てでもっとも大切なのは「死なないように育てること」、子どもを最低限かつ絶対的に叱り教えていかなければならないことは「自他の命を傷つけない」「弱いものをいじめない」とは、ごもっとも。いっそのこと名言集のような作りにしてもよかったのでは?2016/12/26
ハメ・ドゥースト
3
★★☆p.192自己肯定感は、自己だけで決定できるものではない。自己の肯定ではなく、関係の肯定から生じるもの。p.203ていねいにめんどうを見るということが、大人の手の内で問題が解決されることになってはいないか。これでは、子どもたち自身が自分たちで苦境を乗り越えていく大切な機会を失う。手厚さは一生続くわけではない。「障害」は社会との関係で決まる。許容度のない社会が負の価値と認めたものが「障害」となる。「障害」と排除するのではなく、一人一人の困った状態を支援する「状況支援」「状態支援」の視点こそが必要。2014/10/30
ichigomonogatari
2
自立していない息子はすでに27歳。なので、あまり関係ない本かもと思いつつも図書館で借りてみた。穏やかな文章だが、なかなかシビアな本だった。逆に、大人である自分にとって、とても参考になった。あとがきにあった大切な3つの要素を心に留めておきたい。2017/09/01
りんふぁ
1
いたい…という言葉でも、身体が痛いのか、心が痛いのか、「いたい」という単語を使っただけで、真意は違うものなのか。言葉一つでも思い込まずに何を伝えたいのか、真摯に受け止めていかないといけないのだと反省。ついつい固定観念に縛られてしまうのだなぁ。2014/12/11