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山人伝

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  • サイズ B6判/ページ数 181p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784880084206
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

内容説明

山には山人の生と死がある。鉱山師、炭焼き、松煙焚き、山伏;猟師、木地師、荷重曳き、それに狼や兎や狸や蟇たち。山を知り尽くし、山に暮らしてきた者だけが描ける山の人生。著者初の「民俗伝奇小説」集。

著者等紹介

宇江敏勝[ウエトシカツ]
1934年、三重県尾鷲市の炭焼きの家に生まれる。和歌山県立熊野高校を卒業後、紀伊半島の山中で林業に従事するかたわら、文学を学ぶ。現在、作家・林業・熊野古道語り部。『VIKING』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はじめさん

17
林業と文筆業の二足の草鞋を履く著者。業界紙「現代林業」と老舗文芸同人誌「VIKING」に発表された、「むかし」山を生業にしていた人々ーー炭焼き、木こり、猟師をはじめ山あいのムラで暮らす人々の、少し「ふしぎ」な世界を描いた短編集。/ 舞台となるのは紀州。八咫烏を描いた「烏に単は似合わない」読書会の後に読んだ本で、八咫烏にゆかりのある熊野が登場する本を読むシンクロニシティ。風土記が参考文献で、アレンジをかけたものもあるんだろうけど、茶屋の娘と阿波の行商の娘が出会い、生涯に渡る友情を結ぶ「峠の茶屋」がヒット。(2017/02/20

Makoto Yamamoto

10
炭焼きの家で育ち林業と文筆業の著者初読み。 タイトルの様に山に生きる人たちの15編の短編集。熊野の山にかかわる話が多い中、「月夜なり」、「峠の茶屋」がよかった。2020/06/03

こざるん

6
小辺路絡みで知った、宇江敏勝さん。木の国紀聞からの2冊目。紀伊山地の炭焼き人を両親に持ち、ご自身も若い頃から林業に従事された宇江さんの書く、山の中の昔話は地に足の着いた物語、という感じ。大好きです。山や森の中でたまに感じるぞわぞわした気分や、しんみりとしたお話が静かにしみわたります。紀伊の山はもう何度も歩いているのですが、これを一節ずつ読みながら旅をしたいなぁ。。。なんて妄想に駆られてしまいました。2018/01/01

マウンテンゴリラ

3
我々の日常生活には程遠いエピソードや人物で彩られた短編集であるが、なぜかそれに強い痛みや共感を覚える。その痛みの正体とは私自身にも判然としないものがあるが、おそらく現代人が忘れかけている大事なものといったものであろう。その大事なものというのが、共感として心の深層より湧き出してくるということになるだろうか。多くの話の中に、人間というものが超えてはならない決まり事、貧しい山村であるがゆえに人と人との絆を大事にしなければ生きてゆけないという暗黙の掟のようなものが感じられた。→(2)2019/06/20

紅独歩

2
炭焼きの家に生まれ林業のかたわら小説を発表している著者による初の「民俗伝奇小説」集。もっと骨太な世界をイメージしていたが、繊細で余韻嫋々たる作品が多い。松煙焚きの「ねむい」、山伏の「空洞木」、木地師の「帰心」等はとくに実体験が活きている。障害のある子を大切にするための知恵をテーマにした「福の子」も良い。「ピッコロ」「平九郎のはなし」「蟇」などの掌編は怪談としても読める。2011/07/31

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