内容説明
ぼくたちが目指しているのは鮮やかな青い車両の列車だった。その青は、ぼくに幼い日の記憶をよみがえらせた。黄金の鐶と銀の鐶の浮かぶお茶を呑んだ、あの列車の色なのだ。著者撮りおろしフォト・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
78
青い鳥少年文庫シリーズも最終巻となりました。小物の写真に秋の気配を感じただけではなく、少年の人形もルリそのものに見えました。短編は銀河鉄道の夜をモチーフにしているのかしら。父の誘いで乗り込んだ電車で懐かしい雰囲気を持つ少年・ケスとの出会い。最初から読んでいるとルリも成長していますが、正体は曖昧なままなのが長野さんらしいと思います。何とも言えない余韻と共に素敵な写真も味わえて、大好きな長野さんの世界に浸ることができました。2016/01/21
なつ
45
写真と小説が織り成す青い鳥少年文庫の4作目。ルリは父に誘われ、列車旅行へ。そこで父の知人と会い・・・ 「銀河鉄道の夜」のような幻想的な世界観。行き先のわからない旅。果たしてどこへ行き着くのか。哀愁漂いながらも希望のあるラストは、ルリの成長も感じられます。今度は文庫などで一冊にまとめた形で読みたいですね。2021/04/29
小夜風
29
【所蔵】わぁ♪素敵だった~♪終わり方も良かった♪写真の人形が、人形なのに凄い表情豊かで、ルリそのものだと思いました。読めて本当に嬉しかったです♪大好きな長野さんの世界を堪能出来ました♪2014/07/05
紫陽花
8
きっと「銀河鉄道の夜」をイメージして書かれてるんだろうな~と思いつつ読了。最後に少しだけ成長したルリをみることができたけどもっと読みたかった!まゆみさんの寸止め方式笑にはいつももどかしさを感じずにはいられません。2014/05/15
雷華
5
青鳥少年文庫の最終巻。冬支度の休みに父親と二人旅に出たルリ。彼の正体に触れる一編。最後の締めかたといい、切なくも爽やかで好きです。彼もまたいずれ南を目指すことになるだろうことに他の作品と微かな繋がりを感じてニヤリ。幻想的ながら地に足をつけ一歩踏み出すルリの姿に口許が緩みました。2016/06/20