内容説明
古代国家誕生の歴史を奈文研の気鋭の研究者六名が、最近の研究成果、キトラ古墳天文図、木簡、大宝元年元日朝賀と宝幢・四神幡、飛鳥寺塔心埋理納品、銀銭…銅銭…を熱く語り早川和子氏がイラストを添える。白鳳衣装と天平衣装もあわせて紹介。
目次
第1章 あすかの宇宙―飛鳥人のみた星座
第2章 飛鳥・藤原の木簡を紐解く
第3章 藤原宮の幢幡遺構―大宝元年の元日朝賀と儀仗旗
第4章 飛鳥寺の発掘と塔心礎埋納品―飛鳥寺発掘六十年
第5章 貨幣誕生―飛鳥・藤原の銀銭と銅銭
第6章 座談会「飛鳥を描く」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫草
8
講演会が基になっているので、語り口が柔らかくユーモアも交えて読みやすい。木簡に書かれた僅かな文字から、何が書かれているのか→その日何があったのか→なぜその日にそれが?などと、少しずつ検討を加えて明らかにして行く過程は推理小説みたいにスリリング。ほんの小さなことも「きっとそうなんだろうな」と思うところも、「そうなんだろう」で終わらせてはいけなくて、きっちり証拠を求めて行くの、学者ってすごい。挿絵を描いた画家の早川和子さんとの座談会、わからない所をごまかしながら描く苦労とか、おもしろかったです。2022/03/17
アメヲトコ
5
奈良文化財研究所の研究員が語る、飛鳥・藤原京研究の現在をまとめた一冊。総合的な解説を期待していたのですが、割とトピックはマニアックで、それがどうしt……、いや、そこがいい。挿図のイラストが良い味を出しています。2016年11月開催のシンポジウムで、1年もかからず出版とは、なかなか仕事が早い。2017/11/17