感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岸野令子
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著者は「これは叙事詩ではない。あえていうなら、歴史詩とでも名づけたい」と書く。恥辱と苦しみの体験を受けた姉妹たちの声を絞り出した詩集。きりきりと痛みを感じながら読んだ。この詩に登場する《あの方》の娘が次期大統領になる。彼女は同性の受難を少しは我がこととして受け止め、謝罪を求めるだろうか。著者は「もうあなたを捨てようと思います」と、家父長制を断罪する。男性が女性を人間と思わない思想が、女性をこのような扱いにして平気でいたことが許せないから。男性が自分の性を恥じることなく、いばっている間は、本当に彼女たち、い2013/01/02