内容説明
わが国の歴史研究に欠落している重要な部分は軍事史だ。著者は欧州で英語学を研究するかたわら蓄積した軍事的教養を一冊にまとめた。それが本書である。本書では陸戦の戦争形態から近代を四期に区分し、東西を列強に囲まれていた当時のドイツに誕生した「参謀本部」という国家的頭脳集団の発展と栄光と衰退の歴史を紹介している。
目次
第1章 近代組織の鑑 ドイツ参謀本部―フリートリッヒ大王が制限戦争時代に残した遺産
第2章 かくて「頭脳集団」は誕生した―ナポレオンを挫折させたプロイセン参謀本部の実力
第3章 哲学こそが、勝敗を決める―世界史を変えたクラウゼヴィッツの天才的洞察
第4章 名参謀・モルトケの時代―「無敵ドイツ」を創りあげた男の秘密とは何か
第5章 「ドイツの悲劇」は、なぜ起きたか―ドイツ参謀本部が内包した“唯一の欠点”
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かささぎのはし
2
フランス革命、ナポレオンの登場によって、徴兵という制度ができ、師団制になったために戦争新時代となるところから始まる。ナポレオンに対抗するためという種がドイツ参謀本部の元となっている。けれど、そのナポレオンを倒すために考えた智慧は当時の常識に阻まれてなかなか採択されない。最初のドイツ参謀本部の父、シャルンホルストは志半ばで亡くなる。そのあとを継ぐのがグナイゼナウ。彼がシャルンホルストの提唱していた消耗戦によりナポレオンを14戦11敗(ただしプロイセン軍は負けたとは思っていない)にてナポレオンを下すことになる2015/05/06