内容説明
アジア経済の急成長にとって極めて明示的な役割を果たしたのが、外国投資であることはいうまでもない。しかし、これまで、その重要性は指摘されながらも、資本収支関数の定式化の困難さから、多くの経済モデルは国際資本移動を内部に組み込んでこなかった。「興亡」すなわち資本移動とそれにともなう各国間の相克をモデル内部に組み込み、CO2の排出規制など、環境保護問題も視野に入れた、初めての長期経済モデル。
目次
第1部 不均等発展の理論と計測(環太平洋経済の不均等発展、長期波動および計量経済モデル;貿易と資本移動に関する不均等発展理論;マクロ収穫率の理論と計測;閉鎖体系におけるConvergence理論;資本、労働制約による長期波動仮説;不均等発展に伴う政治的コストと大国の興亡)
第2部 京大モデルによる環太平洋地域の長期分析と長期予測(国際連結モデルと京大モデルの位置;2025年までの長期予測;エネルギーとCO2排出量に関する長期予測;環太平洋諸国の相互依存関係)