内容説明
昭和50年(1975)12月22日、晴れ渡る空の下、プロジェクトリーダーの中村を乗せた実験1号機は、わずか1センチ浮上して静かにゆっくりと走り出した。日本初のリニアモーターカー公開走行実験が成功した瞬間である。孤高の天才エンジニア・中村信二を擁して開発プロジェクトがスタートしたJAL(日本航空)方式リニアモーターカー“HSST”は、社内外からの圧力にも耐えて日夜努力を続けること16年、ついに正式の交通機関と認められ1991年みなとみらい21博にて126万人を輸送、そして2005年愛知万博会場での営業路線開業に結実する。プロジェクト初期から参画した著者による貴重なドキュメント。
目次
第1章 開発のはじまり(本邦初、公開リニアモーターカーの試走;当時の各国の浮上式乗り物開発状況;成田新空港の開設と航空旅客の急増;開発の始まり;基本技術の開発 ほか)
第2章 実用型への進展(ブルガリア・プロジェクト;関西新空港建設計画案の検証;HSSTプロジェクトへの復帰;筑波万博;バンクーバー博 ほか)
著者等紹介
長池透[ナガイケトオル]
1933年宮崎県生まれ。電気通信大学卒業後、日本航空整備株式会社(現日本航空株式会社航空機整備部門)入社。航空機整備業務、整備部門管理業務、運航乗務員養成部門、空港計画部門などを経て、磁気浮上リニアモーターカー開発業務に従事。1993年、定年退職。日本旅行作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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