代表作時代小説〈第33巻〉

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代表作時代小説〈第33巻〉

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  • サイズ B6判/ページ数 391p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784875198321
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0093

内容説明

豊かな想像力が造る、魅力あふれる夢とロマンの代表作。歴史・時代小説の充実の軸となる巨匠・新鋭のヴァラエティに富んだ作品群を収録した年度版アンソロジー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山内正

4
若い頃はこの土手を幾度も平気で 駆け上ったが五十過ぎ息が弾む  足が重くよっこらしょと声が出た 一人にしては多過ぎる重箱をお一つ如何と女が声掛けおもんと名乗る おむすびでも 山の騒ぎには 閉口します しわの目立つ口元を隠し食べ わたし五年前連れ合い亡くしてね倅は居るんです  わたしは七年前に子はいなくて  幸せそうですねとおもんが言う  人が来るのでと立ち上がる  おもんさん家においでなさいな  今日おもんが来る日掃除してと 話をしたかった灯りも付けず  ご飯を口に入れ 思う存分昔話出来るのはおもんしか2022/05/04

山内正

4
窓の敷居に頬杖付いて潮風を受け  もう八年になるよこんな処に  仇は侍で姉さん騙し首を括ったと  付合いが悪く愛想もと朋輩から 陰口を 役者に似てると客に話す、十八でここに来て器量は悪く 客あしらいは下手で誰にも尻尾を振らないで 祭りが嫌いだ神輿に山車のどこがいいのか  客の乗り気かは見当がつくがその先が分からない  男なんてどれも大して変わらない 仇を見つけたら矢来なんぞひとっ飛びで駆けつけてやると夜の海を見る2022/04/01

山内正

4
小兵衛の声が居間に聞える どうしたタマこれこっちへおいで  一年も前に出て行ったきりなのに 何処から戻ってきたのだ おはるは何方かというと猫は好まぬ あっちへ行ったりこっちへ行ったりして暮らすのが好きでしょうよと  縁側へ上がって来ると思ってたら身を返し堤の細道へ 振り返り鳴く小兵衛を呼ぶ様に 木立を抜け家の戸口へ 台所に入ると老人が縛られ 女が男三人に犯され掛けてた 近くの薪を三人に投げて女を救う 老人の顔を見てあなたはあのっと 絶句した 知り合いの人だと 忘れているらしい 老人の家は表沙汰にならずに2022/02/18

山内正

4
包丁申し分なし料理見事性質良く 江戸の紹介状を差し出す弥吉 弟子入には仕来りが出直せ 新しい手拭いと菜箸一膳持って来な 玄関に四五十人の板前の名札が吊ってある 弥吉夜芋を煮てみろと一言 出来た芋を口に入れ、脇板をやるか 福田屋が手が足り無い 昼かる忙しくなる時後ろから女将が 上手に皮剥いちゃ駄目だよと声を出す ワザと皆に笑われ下を向く 朝行くと訳あってはな板やって貰います客は三十人 場違いの様な気がしながら注文を やりだす 2021/06/17

山内正

3
姉さんの敵を探しもう八年と 客に話をした  朋輩には付合いが悪いと言われ 店に売れる順に木札を吊す お万はいつも八番目で 客が減ったが誰にも尻尾振らない  もうすぐ祭りねと若い女が 神輿担ぐ者窓に並ぶ娼婦 街道に立っ町衆も同じ顔をする 相手の乗り気は分かるが その先が分からない 女達の言うのと自分は当り前でないと気が付く  そんな侍いたら言っとくれ いい男でねと客に言う 喜之助が姉さん大変だ寺で見つかったよ 階段降りるとおかみさんが 何あたふたしてんだい憚りかい 間違なく菊五郎だったのに えっ幸四郎だよ 2022/03/01

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