内容説明
魅力あふれるイラストと明るく切ないポエム「短歌」が奏でる素敵な夢のハーモニー…。もう、言葉はいらない、ね。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
75
ノスタルジックな黒井健氏の絵の魅力は、何と表現すればいいのでしょうか。古いヨーロッパ映画のようなセピア色のイメージ。それでいて抑制された優しい色が施されています。舞台はたぶん外国のホテル。バスルームにアールデコの絵画が飾られるような、新しくはないけど寛げる空間に見えます。加藤治郎氏の短歌は、ほんのりエロティックな香りを放つ大人の恋の歌。自宅の本棚の一番良い場所に飾ろうと思います。1997年4月初版。2015/03/22
ぶんこ
40
黒井さん目当てでリクエストしていた本。 やっと手元に届きました。 表紙から、すでに惚れ惚れする黒井さんの絵でした。 最初は短歌とわからずに読み、しかも子供の絵本と思っていたので、読み進めていくうちにアレレ、大人の絵本? そして短歌と分かって、最初から読み直しました。 「石畳に街灯、三日月の絵」,「雪景色に数本の木、朧な太陽」。 原画なんて贅沢は言いません。 コピーでいいから欲しい絵の数々。 心がシ〜ンとなって、無我の境地になれそうです。2015/05/25
June
29
加藤治郎さんの歌はNHKの解説本で「鋭い声にすこし驚くきみが上になるとき風にもまれゆく楡」を読んで、こんな風に詩的に歌うんだと軽い衝撃を受けた。この本は、1997年出版。黒井健さんの絵と短歌が奏でる美しい歌集。好きな歌を以下に。「ほそき腕闇に沈んでゆっくりと「月光」の譜面を引きあげてくる」「だからもしどこにもどれば こんなにも氷をとおりぬけた月光」「ふたりいることさえつらくなる夕 水音のようなチェンバロをきく」2015/04/11
高宮朱雀
12
黒井健先生の本で検索していて見付けた。子供の頃から親しんで来た先生のイラストにどんな短歌が合わせてあるのか、歌を詠む人間としても興味が湧いた。 どこかステンシルのような柔らかく、ふんわりとしたイラストの隣にビタースイートな歌が並んでいて、まさに読むトレンディードラマ!!というのが第一印象。並んだ三十一文字だけで、あとは読者のイメージで続きが紡がれて行くようなロマンチックな一冊です。 私もこういう本を出して見たい…。アイデアだけはあるんだけど…。2019/10/05
山吹
3
どこかで加藤治郎さんの歌は歌詞のよう、という評を読んだけれど、この本を読んで連想したのは昨年亡くなったムーンライダーズのかしぶち哲郎さん。紙一重のロマンティック。2014/05/29