感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
5
定年間際に大病を患い、図らずも会社勤めの窮屈さから開放されたとき、筆者の心に去来したのは、残りの人生を気ままな「読書人」としてありたい、という思い。では一体「読書人」とは何か、読書から何を得ようと云うのか、情報過多の時代に読書で心静かに内省する場を持つのは結構難しい、衰えた読書力をどう恢復すべきか、兎も角も実践してみよう、といった筆者の思索の過程を綴った本。本を糧につましくも潔く暮らす。それは私自身も憧れる。すぐに、やはり定年までは無理だろうとの諦念に突き当たる。いささか歯痒いことである。いい本を読んだ。2016/01/27