内容説明
脳卒中で倒れた洋服仕立職人の父と、その父の喜びを一番の喜びとする息子との、十四年間にわたる濃やかな情愛に満ちた生活と死別の慟きとを、簡潔にして清楚な筆で描いた、表題作を含む心に沁みる二十九の連作短篇に併せ、市井の悲惨な一事件に取材し、生の哀しさを浮き上がらせた「夕雲」等、前著『冬晴』以後の作九篇を収める。著者文章修業二十五年の精華を示す作品集。
著者等紹介
永野秀夫[ナガノヒデオ]
昭和31(1956)年2月、東京都豊島区に生まれる。昭和53(1978)年3月、獨協大学経済学部卒業。同年4月、学校法人学習院に事務職員として採用される。平成29(2017)年3月、退職。平成11(1999)年、「不昧公の小箱」が第29回学習院輔仁会雑誌賞準入選作として同誌に掲載され、以後創作を志す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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