出版社内容情報
児童文学の名匠、安房直子の色褪せぬ名作をふたたび。女の子ときつねの子の、いっときの出会いを描いた美しい物語です。
内容説明
とうふ屋さんのいちばんしたのむすめは、ゆみ子といって、ことしいつつになります。おしゃれでおしゃまで、ままごとのだいすきな女の子です。さて、ある日のこと、このゆみ子が、人形をおぶって菜の花ばたけのみちを歩いていきますと、花のなかから、うた声がきこえてきました。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年、東京都に生まれる。日本女子大学卒業。『さんしょっ子』(同人誌「海賊」)で日本児童文学者協会新人賞、童話集『風と木の歌』(実業之日本社)で小学館文学賞、童話集『遠い野ばらの村』(筑摩書房)で野間児童文芸賞受賞。また、『風のローラースケート』(筑摩書房)で新見南吉児童文学賞を受賞。1993年没
えがしらみちこ[エガシラミチコ]
1978年、福岡生まれ。熊本大学教育学部卒業。主な作品として、『あめふりさんぽ』をはじめとした“おさんぽシリーズ”(講談社/全国学校図書館協議会選定図書)、『なきごえバス』(白泉社/第9回MOE絵本屋さん大賞2016「パパママ賞」第1位)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
56
可愛らしいお話かと思いきや、それだけじゃない。複雑な余韻を残す、安房さんらしい影がありますね。親ぎつねの行動にどきっとしてしまいます。えがしらみちこさんの描く女の子が愛らしく、淡い色彩も奇麗。好きな画家さんですが、安房さんの世界には可愛らし過ぎるかな。安房さんのどこか懐かしい文章がいい。2021/11/12
ヒラP@ehon.gohon
30
しばらく前に、いもとようこさんが描いた絵本を読んでいたので、お話は知っていたのですが、えがしらさんなりの可愛い世界に、思わず気持ちがウキウキしてきました。 1つは32ページに納められたいもとさんの世界に対して、48ページという絵を増やしたことによって、お話の情景が、より具体的に詳細になったことでしょうか。 併せてえがしらさんは、子どもたちにとって共感できる現実性を持っています。 春の読み聞かせにピッタリの絵本です。2022/01/05
みつばちい
29
安房直子さんのちょっと不思議で温かいお話にえがしらさんの絵がよくあっていてほっこりした。油揚げ、取られちゃったけど(^_^;) 葉っぱが色々な緑のお皿になるところが好き。安房直子さんの物語はいつも美味しそうで、匂いが伝わってくる感じがする。2022/04/01
anne@灯れ松明の火
27
新着棚で。豆腐屋さんの娘ゆみこが、菜の花畑を歩いていたら、きつねの子がおままごと。「はっぱさん おさらに なあれ」食器に変わった葉っぱで遊ぶ様子に、「いれてえ」。おままごとの様子はほのぼの、かわいい。が、かあさんぎつねが現れて、ちょっとドキドキ。安房さんなので、もっと怖いことが起きるかと心配したけれど、そうではなかったけれど。菜の花は春、椿の花は冬のイメージがあり、気になったが、調べると、12~4月に開花ということだし、椿は摘んで保存と思えば、いいのだろう。でも、別の春の赤い花なら引っかからなかったのに。2021/10/30
ツキノ
25
【安房直子×えがしらみちこ】2021年9月発行。『ぎんいろのねこ』だけじゃなかったおふたりのコラボ!(こちらが1か月先に発行)とうふ屋さんのいちばん下の娘のゆみ子(いつつ)がきつねの子と出会って一緒におままごと遊びをする。きつねのおかあさんが登場。なんだかコミカルになるのにそこは安房さんの筆致が抑えているような。売り物のあぶらあげがなくなって大変よ!赤い花のマニキュアがお返しね。【9-606】2022/01/10