出版社内容情報
米中対立が激化し、世界情勢が激変するなかで戦略物資への各国の眼差しが大きく変わってきている。
経済効率の追求から、自国または同盟国の安全保障を重視する方向へと向かうことで、資源エネルギーなどを中心とした戦略物資の確保が重要になってきているためだ。とくに近年は2020年に新型コロナが世界中で流行し、2022年にロシアによるウクライナ侵攻が起きたことで、半導体や化石燃料などの資源を巡る各国の政治的な動きが活発化。さらに、グローバル経済によるサプライチェーンの崩壊や再生エネルギーへの転換なども複雑に絡まっており、戦略物資への理解は一筋縄ではいかない。
本書籍は戦略物資の現在地と未来の状況を地政学的な観点から読み解いた上で、それが国際情勢や各国の利害にどのような影響を与えるのかまでを丁寧に紐解く。戦略物資から世界を俯瞰することで、国家の盛衰までもが理解できるようになる1冊!
内容説明
大国による資源確保の動きが新たな局面を迎えるなか、国家の盛衰を懸けて各国の思惑が激しく交錯する。分断する世界の未来を“最新の資源情勢”から読み解く。
目次
第1章 激動の時代のなかで世界が戦略物資に向ける眼差し(産業革命以来資源に依存する私たち;国際政治シーンで重要な役割を持つ戦略物資とは? ほか)
第2章 資源を豊富に持つのはどの国なのか 戦略物資の最新地図(資源は世界中に張り巡らされるサプライチェーンで供給される;各国の経済活動に最も欠かせない石油の最新地図 ほか)
第3章 国家の命運を左右する世界の分断と戦略物資(米中対立によって変わった世界の地政学リスク;利益重視から安全重視へ 世界の分断は何をもたらすのか? ほか)
第4章 政治化する気候変動問題 脱炭素化から見た戦略物資(世界が注目する脱炭素 実現に向けた「不都合な真実」とは?;脱炭素化がもたらす戦略物資の未来地図 ほか)
第5章 日本の戦略物資とその未来地図(資源が豊富な国とは異なる日本にとっての戦略物資とは?;日本から見た戦略物資の地政学 いかにしてエネルギーの安定した供給を守るのか ほか)
著者等紹介
小山堅[コヤマケン]
日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員。1959年、長野県生まれ。1986年、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了、日本エネルギー経済研究所入所。2001年、英国ダンディ大学博士号(PhD)取得。東京大学公共政策大学院客員教授、東京工業大学科学技術創成研究院特任教授を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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