内容説明
情・無意識・共同体。日本社会の不合理な現実の基底にある「情・無意識」とは何か。生活者の視線に寄り添う学問をめざした柳田国男や、現実と葛藤しながら生きる意味を模索し、あるいは社会変革をめざし、または意識の深みを描いた近現代の作家たちを綿密に読み込む。
目次
1 柳田国男のまなざし(『明治大正史世相篇』を読む―晴と褻の混乱;柳田国男の民族観;『先祖の話』を読む―戦死者の魂をめぐる日本人の葛藤;柳田国男と教科書)
2 葛藤する表現(北村透谷論―永遠の未完;樋口一葉『にごりえ』論―情の行方;森鴎外論―曖昧者の悲哀)
3 無意識をひらく(近現代文学とシャーマニズム;『銀河鉄道の夜』論―“巫者”としてのジョバンニ;笙野頼子論―言葉と化す哀しみ;極私的神話論―笙野頼子『金比羅』を読む;多和田葉子『犬婿入り』論―消費される民話)
著者等紹介
岡部隆志[オカベタカシ]
1949年栃木県生まれ。共立女子短期大学名誉教授。日本古代文学・近現代文学、民俗学を専門とするが、1997年からは中国雲南省の少数民族文化調査に赴く。他に現代短歌評論も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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