内容説明
古代の昏迷の内に『黄帝内経』が編まれ、約二千年の時のなかで整備され、西欧近代文化のインパクトを受けて現代の中医学に至った。…と、そう考えられている。しかし事実は違う。黄帝派は確かに主流となったが、扁鵲派という別の流れが存在したのである。本書はこれら二つの流れ、中国医学史の二本の“経絡”に光を照射しようとするものである。
目次
黄帝の“治療世界”(雄々しき帝・黄帝;悩める帝・黄帝)
扁鵲の“治療世界”(〓(かくの)太子蘇生説話
斉桓侯望診説話)
淳于意の“治療世界”(漢文帝下問説話;“流”のアジャストメント)
華佗の“治療世界”(曹操とのコントラスト;“全”と“要”)
著者等紹介
角屋明彦[カドヤアキヒコ]
東京大学教養学部から大学院総合文化研究科に進み、博士課程修了。北京中医学院留学。中国医学史・医療文化論・文化接触論を研究し、専門学校・大学などで教鞭を執る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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