カーブボール―スパイと、嘘と、戦争を起こしたペテン師

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  • サイズ B6判/ページ数 511p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784863060562
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0095

内容説明

イラク戦争はなぜ起きたのか。ピューリッツアー賞受賞者の著者が、徹底取材をもとに克明に伝えるノンフィクション。真実の情報が、官僚主義・組織の対抗意識・個人の野心・定見のないリーダーシップなどによって変質され、アメリカの情報活動史上最悪の大失態を犯したスパイ・ストーリーである。

目次

ミュンヘン1999年‐2001年
ワシントン2002年‐2003年
バグダッド2003年‐2004年

著者等紹介

ドローギン,ボブ[ドローギン,ボブ][Drogin,Bob]
ピューリッツアー賞受賞者

田村源二[タムラゲンジ]
1947年、東京生まれ。翻訳家。映画誕生前のオプチカル・トイ(視覚玩具)の研究も(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐倉

3
現場猫というネットミームがあるが、まさに各国諜報機関の内外で起きた壮大な現場猫案件ともいうべき事件。「大量破壊兵器は多分あるからヨシ!」「ドイツの諜報機関はあるって言ってたからヨシ!」「裏は取れないけど行けば見つかるはずだからヨシ!」その結果がイラク戦争なのだから笑うに笑えない。願望が予断を産み、忖度が情報を粉飾する。異を唱えるものは追い出し部屋に。日本の組織の事故や腐敗、冤罪捜査などと良く似た構図が00年代のアメリカでも繰り広げられていた。さながら池井戸潤を読むように手に汗握ってするすると読める一冊。2022/11/04

たくぼん

3
★★★★☆ノンフィクション大作。一人のイラク人の、亡命したいが故の嘘・作り話が、巡り巡ってあのイラク戦争へ突き進む根拠となり。。。最後まで認めようとしなかったものと認めさせようとした人たちの構図が淡々とした文面の中にも迫力があった。結局は責任逃れに終始する各諜報機関の上層部、それを把握しながら今でもイラクに駐在し続けている米兵たち。無駄な、いや、軍需産業とそれに支えられた議員(大統領や長官も含む)だけが得をしたのみの行為だったのか。。。2012/11/01

ちょっかん

2
本書は、アメリカが偽の情報を元にイラク戦争を始めてしまった経緯を記述した小説である。ひとりのイラク人亡命者の虚言により、ドイツやアメリカの情報機関が錯綜していく様は、不謹慎かもしれないが、とても滑稽に見えた。各情報機関の思惑がすれ違い、誤った判断が更に誤った判断を生み出す、負のスパイラルが描かれている。また、情報機関の仕事ぶりも垣間見ることができる良書。 BND DIA カーブボール 2019/11/15

長南 徹

1
1人のイラク人にCIAからアメリカ政府が振り回され、イラクが大量破壊兵器を持っているというガセネタで戦争に突入するまでを詳細に記しています。CIAのお粗末さは組織ではどこでも起きうる事だと感じた。アメリカの凄いところは、この問題を暴露した人間を大統領自らヒアリングをして、問題点や解決点をキチンと把握しようとしている点である。ちょっと長いけど、読みごたえがあります。2014/08/18

ななっち

1
イラク戦争の大量破壊兵器の存在を巡る実相。それにしても、CIA関係の本を読んでいると、映画などで作られた虚像とは違って、結構ゲンナリしてしまいますね。2012/04/28

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