内容説明
本当に治しているのか?薬漬けにしているにすぎないのか?精神療法を切り捨て、薬物療法中心とマニュアル偏重という現在の治療方法がかえって、新たに「うつ」を長期化し、慢性化させている現状を直視せよ。
目次
第1章 あなたがもし「うつ」と診断されたら(「うつ」が激増している;うつ病治療の現状 ほか)
第2章 あなたは本当に「うつ」なのか?(本当に「うつ」なのか疑った方がいい;あいまいな概念 ほか)
第3章 あなたが抗うつ薬をもらったら?(抗うつ薬とはどのような薬なのか;最初の向精神薬 ほか)
第4章 なぜ、「うつ」はこんなにも増えたのか?(自由で豊かな社会がうつを生み出した!?;規範からの解放 ほか)
第5章 「うつ」の処方箋(うつに対する有効な処方箋はあるのか;抗うつ薬への幻想 ほか)
著者等紹介
片田珠美[カタダタマミ]
1961年広島県生まれ。大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。専門は精神医学、精神分析。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学びDEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わりつつ、精神分析的視点から精神疾患の構造について研究。神戸親和女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
4
2006年著。著者はフランスに留学して精神分析を学んだ精神科医。この本の主要な内容は抗うつ薬(≒SSRI)史で、1952年の開発以来の事柄が精神医学界の変遷とともに述べられている。そこでは薬を開発した動機や意図、そして受容といったことが書かれている。 その前段階としての「うつの定義」があり、SSRIの適用範囲の拡大とともにいよいよその境界が不明瞭になっていく様が指摘され、同時に神経症がうつに飲み込まれて、同時に精神療法や精神分析が凋落していったともある。→続く2021/07/01
のぞみ
1
恐ろしいまでの駄著。タイトルには共感するものがあるが、それと関連した話が書中のこれっぽっちも出てこない。薬物療法がいかに精神療法に取って代わったか、について、直訳調の引用がひたすら並べられているだけ。抽象的な表現ばかりで何が言いたいのかまったく伝わってこない。ひどい一冊。時間の無駄遣いでした。2014/05/28