内容説明
韓国での教職体験と在日・旧植民地文学への深い関心。時代と場所の制約の中で「アジアという鏡」に映された固有の営為の諸相を重層的に探究。
目次
「昭和」とアジア
“シャンハイ”された都市―五つの「上海」物語
ベトナム・トライアングル―日本文学者たちのベトナム戦争
華麗島という鏡―日本近代文学と台湾
円の中の夢―在日と亡命
近代朝鮮の孤児―李光洙ノート
コロニアリズムとオリエンタリズム―「冒険ダン吉」の地球儀
「南」へ向かう文学―日本近代文学における南方
「冒険」の島と海―南洋文学論
氷の島と雪の海―樺太文学論
千島の文学をめぐって
「植民地」の憂鬱―埴谷雄高と楊逵
植民地鉄道の夜―旧植民地の鉄路文学
李箱の京城―一九三〇年代の“文学都市”ソウル
少年たちはソウル“都”をめざす―「京城」の憂鬱
釜山の憂愁―植民都市幻想
東京で死んだ男―モダニスト李箱の詩