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日本残酷写真史

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861820953
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0036

内容説明

「人間の残虐趣味を満足させるのは、戦争と芸術だけである」と、江戸川乱歩は語っている。写真は、その誕生とともに、人間の秘めたる欲望である“残酷”を満足させるために使われてきた。日本に写真技術が伝わった江戸末期以降、写真は、日本人の“残酷さ”を写し出してきたのである。本書は、江戸時代の「はりつけ」「獄門」(さらし首)などの残虐な刑罰の写真から、維新・戊辰戦争における切腹・斬首、関東大震災での遺体の山や虐殺された朝鮮人、肉弾戦と化した日清・日露での大量戦死者、災害や猟奇犯罪の無残な被害者、そして日中・太平洋戦争での日本軍による残虐行為、東京大空襲や広島・長崎の黒コゲの死者など、秘蔵の残酷写真170枚を収録した、初めての「日本残酷写真史」である。

目次

残酷写真の江戸から明治
明治維新と月岡芳年の残酷画
日清戦争と朝鮮人への攻撃
日露戦争と一等国への自信
災害と報道写真の誕生
関東大震災と朝鮮人虐殺
日中戦争と虐殺の広がり
南京大虐殺の虚構と現実
犯罪現場―報道写真の新しいジャンル
ナチスとホロコースト
大空襲、原爆、そして…
死体産業と下請け業者たち
人間の歴史とは、死体の歴史である

著者等紹介

下川耿史[シモカワコウシ]
1942年、福岡県生まれ。著述家。風俗史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

15
阿部定に殺害された石田吉蔵、帝銀事件の犠牲者たち、小平義雄に凌辱され放置された死体の写真も掲載。いずれも、折々の新聞や雑誌で掲載されたものではなく、後に出版された書籍に採録されたものという。その頃から自主規制の意識が働き始めたのだろう。著者は、国民の視線を現実から逸らすという意味で大本営発表と類似性があると批判する。プライバシーや残虐性という問題もあり、その是非は難しいが、少なくとも自主規制により、受け取る側のインパクトは確実に薄まり、かつ、曲解を生む可能性も高い。2019/10/26

澤水月

10
うううううむ。興味深かったがタイトルに偽りあり、な気も(写真に見る悲惨・残酷史、という感じ?)。著者が書き進めながら「人間の中に潜む残酷性を照射」→「自身の中にも以下同」とぶれていっているような。ラストの方は参照書籍の信頼性にも一抹の不安を感じた。とはいえじか聞きの取材によるエピソード開陳などは非常に興味深い本だった2009/04/05

G-dark

7
こういう遺体写真は「残酷だから」と歴史の教科書にはこれからも載らないかもしれませんが、ある程度の年齢になり「歴史を知りたい」と望めばこういった写真を見られる方が良い、と私は思います。写真はありのままを教えてくれます。写真に残すこと自体が死者への冒涜だ、晒し者にしている、などと批判する人もいるかもしれませんが、私はむしろ同じことがいつまでも繰り返されて今後も沢山の人が殺される方が、これまで殺されてきた人たちへの冒涜になると思います。人が人を殺してきたという歴史を忘れてはいけません。これからを変えるために。2016/11/28

たろいも

6
ううむ、タイトルが、気になり見てみたけど、しゃしんつきでの説明はとてもわかりやすいのだが、もしこれがカラー写真だったら絶対に読めない。また写真がインパクトありすぎてか文章があまり感情がなく単調な感じがした。まあそれでいいのだろうが。ガダルカナル…2015/06/27

rara

5
とても興味深かったけど、もし写真がカラーだったら最後まで読めなかったと思う。阿部定に佐川と…嗚呼、恐ろしい。2012/04/13

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