内容説明
下北沢で「箱貸し」の店を営む勇の日常は、穏やかで、それでいて騒がしい。翻訳の仕事をする常連客の桃子さんに恋をして、元アイドルのみずほの話に耳を傾け、変わり者の詩人・土蔵真蔵に付きまとわれ…。今もっとも注目を集める作家が、“街”とそこに生きる“人”への愛を全開の筆運びで綴った、爽快で痛快で痛切なラブストーリー。巻末に、作家・西加奈子と著者による特別対談を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
21
これが現代小説として普通?なのかなぁ。ふだんミステリオンリーなので、その辺がよくわからない。最初はとりつく島もない感じでしたが、例の詩人がしつこく登場してから、その先の展開が気になってしかたがなく、結末は読めたけど、問題はそこに至るまで何が起こるか、でした。人々の生きざまを読みながらも、実は街そのものを読んでいるというのが、この作品の理想的な受け止め方かもしれません。ところでこの文庫、新古で105円でしたが、なんと著者の直筆サインが書いてありました。2014/02/28
むぅ
4
【図書館】面白かったです。下北沢は2回しか行ったことがないけど、その時感じた「よく解らない感じ(完全に個人的な意見)」が文章から滲み出てくるようだった。2011/07/24
2Tone
3
もうちょっと若かったらとか、昔を思い出す、下北沢のイメージです。演劇とか、何回か見に行ってました。って、内容とは関係ない感想ですが、その頃の感じも良く現れている作品です。でも、今読んでる感じでは、古いのとあんまり新鮮でなかったのも事実です。2019/11/15
ちいさな図書館
3
下北沢で「下北沢」を読む!というのをやってみた。そうしたら、この小説のすごさが分かった。下北沢の空気まで切り取って入っていたから。2010/06/18
友
2
なんか不思議な感じです。主人公の性格がよくつかめなかったと言うか、芯があるんだか無いんだか・・・という印象。巻末の対談読んだらちょっとだけ他の作品も読んでみたいなと思いました。2011/09/25