内容説明
単純で臆病だけど愉快なハイエナ、女子どもを呑みこむ森の人喰鬼、固い絆で結ばれた人々…。キクユ族が古くから語り継いできた大切な物語。
著者等紹介
杜由木[モリユキ]
1928年7月27日、新潟県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
丘野詩果
4
自分ではまず、選ばない本ながら、読書会の大熊氏から借用。大熊さんは、アフリカへ行くのでこの本を買ったというけれど、何か参考になるような事があるのだろうか。東アフリカ、ケニアのキクユ人の民話で、ハイエナと他の動物達との出来事が1編3ページくらいで語られ、オチがちゃんとついている。ひとつひとつがイソップ童話のようで面白いのだけれど、実際の動物の生態や性格とは関係なく描かれており、つまりは動物に形をかえた人間世界の話なのである。あまりにも違うキクユ族の風俗・習慣などが解説されているのが興味深く、はまりました。2014/09/05
てつこ
1
図書館で見つけた本。ケニアのキクユ族に伝わる民話集。キクユは英語表現で、本来はゲコヨという。サバンナに住む動物、愚鈍なハイエナ、イリモと呼ばれる魔物たちの物語はとても生き生きして魅力的。物語に出てくるキーワードがゲコヨの文化でどういう位置付けを持っているかについての注釈が面白い。ディネセンのアフリカの日々を読んでいたので、ゲコヨ族の文化が理解しやすかったように思う。イラストも素敵。2020/11/08
刳森伸一
0
個人的には、イリモ(人喰鬼)の話が良かったです。ただ、“注”に話の落ちが書かれていたりするのはどうにかならなかったのだろうか。2012/10/01
Akihiro Nishio
0
ケニア・キクユ族の民話を集めて、日本語に翻訳したもの。ハイエナのキャラクターが鬼太郎のネズミ男みたい。上手く騙して出し抜いてやったという話が多くて、良き行いをしたら最後には報われる的な話がないのが微笑ましい。人を殺したら、羊100頭を親族に支払わなければならないという法律も、アフリカらしい。2012/06/23