内容説明
工学システムの新しい構成、すなわち、その形態構成、ダイナミックス、及び制御の構成原理を求めて、生物システムに学ぶことの大切さを本書で提唱したい。一般に、機械システムのように物理的身体を持つ人工物システムの機能は、エネルギーと情報の変換であるといえる。エネルギーは力と運動から、情報は運動から構成されることを考えると、生物システムの「運動」と「情報」の生成機能はもっとも基本的で普遍的な機能といえよう。そこで、本書は、「生物型システムのダイナミックスと制御」と題して、魚を代表とする遊泳動物、昆虫のような6足動物、犬や馬のような4足動物、人間を代表とする2足動物における「運動機能」についてのダイナミックスと制御、そして人間の顔表情を代表とする「情報機能」における力学と制御について、斯界の第一人者が執筆している。
目次
第1章 高速遊泳動物の推進におけるダイナミックス(基礎事項;推進における流体力学の基礎理論 ほか)
第2章 6足昆虫ロボットの自律歩行の力学原理(無限定問題と生命システム;不完結システムとしての多形回路 ほか)
第3章 4足ロボットのダイナミックスと制御(歩容の基本;動的安定性とゼロモーメントポイント ほか)
第4章 2足歩行のダイナミックスと制御(歩行ロボットの機構;運動方程式および衝突方程式 ほか)
第5章 顔ロボットにおける表情表出の力学と制御(顔ロボットの設計;顔ロボットの全体構成 ほか)