内容説明
Touch=ふれあい、Hunger=飢え、欲しいのは包み込むやさしさ、無償の愛。けっして不幸ではないけれど、心から幸せともいいきれない…。現代日本に住む女性たちの、どこか満たされない思いは「タッチハンガー」によるのではないか。生命力に満ち、「タッチ」する文化あふれるブラジルに長く住んだ著者が温かく語りかけてくれる、「理想の母」のような慈しみ深いエッセイ。
目次
タッチハンガー
ブラジルの抱擁
助産院というところ
つめを切る
ウシしめ器
会陰切開
ブラジル版アリとキリギリス
ちゅうちゅう
鬼子母神
生まれてくるとき〔ほか〕
著者等紹介
三砂ちづる[ミサゴチズル]
1958年山口県光市生まれ。兵庫県西宮市で育つ。専門は母子保健、疫学。現在、津田塾大学国際関係学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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霧子
3
まず、ジャケットの彫像に心惹かれる。舟越保武氏の作品だそうです。そして読みながら、幾度も落涙。つらい涙ではなく、流すことで体があたたまるような、熱い涙だった。「タッチハンガー」という言葉から、読む前に連想したものよりずっと、やさしくあたたかいエッセイでした。三砂さんがくれたこの言葉を、ずっと覚えていよう。2013/05/28
のらくら一人旅
2
ありのままの姿の自分を「それでいいよ!」って許されたら、誰だってふっと力が抜けて寄りかかりたくなりますね。僕もタッチハンガーなんで、他のタッチハンガーの人にとって寄りかかれる人でありたいな~と思います。そして、たまに僕も寄りかかりたい。だって、百回好きって言われるよりも一回抱きしめられた方が、嬉しいですもんね。2009/12/14
N_dept
1
『場にふさわしいこと』『建前』、心に留めて生活したいと思った。2014/03/07
とももも
1
高校生の時に読めていたなら後10年のつらさが半減していただろうなと思う。今できることは「もう結構です」といわれるまで子供を抱っこすることか。 ブラジル版アリとキリギリスの話で、ブラジルへの興味爆発。2013/09/27
みぎー
1
本当に読んで良かった本です。体の中がみたされるようなそんな暖かさを感じました。女性向けの本かもしれませんが、男性が読んでこの本でわかることがあると思います。2013/04/22