目次
第1章 光源氏の家庭環境
第2章 ダメになっていく息子達
第3章 サイテー夫達の右往左往
第4章 娘をもつ父達の物語
第5章 平安のアダルトチルドレン
第6章 失われた自分を求めて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅわ
36
【図書館】『源氏物語』を読んだことのある女性なら絶対共感しちゃう!?…登場する殿方達のサイテーっぷりをまとめて解説。主人公の光源氏を変態呼ばわりするだけでなく、桐壺院や朱雀院、夕霧や頭の中将、薫…とメイン級だけではなく、明石の入道や八の宮、髭黒までもをメッタ斬り。末摘花だけでなく空蝉や花散里も「ブス」と一刀両断しちゃう…ここまでゆくと小気味よいほどの口の悪さですが、なぜか?愛を感じる一冊です。2014/07/14
fu
21
源氏物語を親子物語として読み解く新解釈。タイトルから想像がつく通り、読み手が度肝を抜くほど一刀両断である。オブラートに包むことなくそぎ落とされ、登場人物たちのキャラクターはより明確に浮き彫りにされる。ただし著者の刀は、諸刃の刃でもある。平和やハッピーエンドを退屈と感じる著者は、物質的には恵まれていても心は満たされない源氏の男たちと共通する。二つのひかりの内なる闇を見る思い。2015/12/30
なお
20
図書館本。平安時代の男性の自己中心的な恋愛観がイヤだな。権力のために女性を駒の様に扱ったり、己の欲望のみに女性を見たりと貴族の男性はやっぱりサイテーだわ。2017/08/07
スノーシェルター
17
源氏物語は挫折したのでこちらを先に読むことに。もう誰が誰やら。勝手に、会いたくてもなかなか会えないとか、好きだけど叶わないとか、はかないイメージを持っていたけれど、バッサリ。最低男だらけじゃないか!女もすぐ自殺やら出家やら、なんなんだ。まぁ、そういう時代だったんだねぇ。2014/10/01
はぴた(半分お休み中)
10
源氏物語、こんな角度から読めるんだ?と驚きつつも大いに納得し、大笑いもしてしまう。長いこと源氏を読み続け研究してきた筆者がスパーっと源氏を斬る!「とにかくもてない中年の彼(源氏のこと)」とか・・・。痛快で面白い。特に後半、宇治の男たちのしょーもなさを暴く筆致と言ったら! 紫式部が同じ女性として描く女性たちに、最後に救いがあった・・・と思う。2015/11/27