内容説明
20代の寺山修司が書き綴ったみずみずしい珠玉の初期メルヘン集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あお
4
寺山修司はエッセイを書いても童話を書いても詩になってしまう。詩的なとか叙情的なとかが正しい言葉かもしれないが僕は彼の言葉に詩をみつける。それをみつけたとき、その言葉の持つ不可思議さの魅力に吸い込まれ、どうしよもなく彼の言葉の謎を紐解きたくなるのだ。この物語は美しく淋しい話が多い。しかし、彼の紡ぐ物語は美しいだけでなくときに私たちを残酷に裏切ったりもする。美しいものに嘘をつかれたり裏切られたりすることは人にとって本望なことだろう。なぜなら現実や人間はそれほど美しくはないのだから。2015/08/18
王天上
2
乙女ちっく!この本と並行して、読者投稿のポエムを寺山修司が選んだ本も読んでいたが、こういう世界は昭和で終わっちゃったのかなあ。ポップティーンにポエム・コーナーなんてあるのかな。2013/05/05
月詞
1
言葉の運び方で、生き物がぱたぱたと死んでいく感じがすごく軽く感じた。そしてみんな恋をして恋をされて死んでいってるのがすき。トランプあそびはちょっと味が変わってかわいいユーモアのある感じ。ハートの王様を押し入れからひっぱり出して見たくなった。2020/04/17
pssoul
1
残酷童話集、っていうとちょっと違うか。切なく終わるメルヘンチックな恋物語の数々。時々ちょっとエロいのも寺山らしい(笑)橋本治さんの解説も美文です。2016/02/10
ヒラオカキミ茸
0
普段はロマンスなんてどうでもいいけど、寺山修司を読むとちょっと酔う。それにしてもあたしの数倍乙女なおっさんだなあ修司くんは。2012/10/29