内容説明
この世の美しきものを、傷つき傷つきながら追い求め、描きとどめたさまざまな愛とこころのかたち。
目次
最後の胡弓ひき―「やだきゃ、やめとけよ」
うた時計―廉という字
ガア子の卒業祝賀会―「どうもありがとォーう」
はな―八重ざくら
牛をつないだ椿の木―井戸を掘った人
花のき村と盗人たち―桃源郷
小さい太郎の悲しみ―思いこみ
かごかき―「しーっ」
張紅倫―えらい人
いぼ―「どかーん」
のら犬―鐘の音
百姓の足・坊さんの足―花菖蒲咲く道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
okimine_yuiki
1
井戸新さんが実在の人物で、しかも1976年秋にお会いできた時のエピソードがインパクトあった。牛を繋いだ椿の木に出てくる人だ。南吉さんは(日記はともかくとして)私小説やモデル問題が出てくる童話は書いていないけど、故郷の様々な人や事柄を題材にしていたのだろうか。南吉さんの童話を一通り読んでいる人向けの内容だ。タイトル通り著者と共に作品を読んでいくイメージ。「小さい太郎の悲しみ(かぶと虫)」と「いぼ」って1週間しか制作時期に差がないの!?しかも明るく終わる「いぼ」の方が後なのか。少年の年齢が違うので、高学年の子2021/07/27