内容説明
スイス・ジュネーヴ州立大学で教鞭を執るかたわら、戯曲や歌舞伎台本を書き、自らも舞踊家として日本・海外で活躍する気鋭の作家の短編・中編小説集。「三田文学」に発表された作品を中心に、スイスロマンド(フランス語圏のスイス)を舞台に、人間の孤独と官能を追求した妖艶耽美な作品を収録。
著者等紹介
松永尚三[マツナガナオミ]
慶応義塾大学文学部国文学科大学院修了。現在、スイス・ジュネーブ州立大学文学部勤務。スイス・ジュネーブ在住。雑誌「新潮」及び「三田文学」等に小説、戯曲を多数発表。受賞歴は、1987年創作歌舞伎「むかしばなし羅婬伝説」(松竹新作歌舞伎懸賞佳作入選。89年5月、6月新橋演舞場にて上演)。1994年現代劇「足利家の夫人たち上・下」(日本演劇興行協会優秀作品賞。「三田文学」掲載)。1998年現代劇「翔べない金糸雀の唄」(文学座創立60周年記念戯曲賞。99年11月俳優座劇場にて上演。「悲劇喜劇」掲載)。1999年現代劇「無明長夜」(文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作。「日本劇団協議会・新鋭劇作集11」掲載)
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感想・レビュー
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ちょこまーぶる
60
読みながら変な感情的な世界に引きずりこまれてしまいそうになる一冊でした。6編の短編集なんですが、それぞれに男対男の恋愛、嫉妬などの感情を題材として展開されていて、性描写もありました。それて、表紙の男性の裸体の意味も解ったような気がします。ただし、文章の中に時々難解な言葉が出てきて、その度に少し嫌味な感じも持ってしまい、読んだ人は同じ感情を持つだろうなと思いながら読み進めました。6編の中では、最後の大学教授の男の嫉妬心を題材に展開した章が一番の好みかな?何となく教授の嫉妬心が理解できたんですよね。2016/07/27
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