内容説明
二人の友に先立たれ、不治の病を患う「彼」は手術をひかえたある日、鎌倉を訪れる。由比ヶ浜にたたずむ「彼」に去来する記憶、さまざまな言葉、「虚無」への意識。眼前に迫る「死」を扱った表題作「由比ヶ浜夢幻」ほか青年期の不安定な心の機微を描く「早春」、高雄で過ごした幼年期を、時を経てたどる旅、「遠い道」を収録。
著者等紹介
片桐巌[カタギリイワオ]
本名、片桐英泰。1937年、中国青島市に生まれる。終戦まで幼年時代を台湾高雄州小港町で過ごす。福島県立福島高校卒業後、神奈川大学貿易学部に入学、信太正三教授にニーチェを学ぶ。同大学卒業後、フランス、ドイツ系企業に勤務。同人誌「ロボス」の会員
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