感想・レビュー
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おたま
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小田実が描いた豊臣秀吉の「朝鮮侵略」についての小説。小西行長や加藤清正といった有名な武将も登場するが、中心にいるのは子どものミン坊、トン坊を初めとする普通の庶民(チリアクタとも呼ばれる)であり、その視点から見られた朝鮮出兵・侵略の様子。時に作者も登場して、情勢の解説をしたり、戦争、侵略、国家についての考察を始めたりもする。巻頭に「民岩之可畏如是矣」(『看羊録』)とある。意味は「人々群集まって岩となれば、かくもおそるべし」だそうだ。そこからこの小説の題名もとられているし、内容もまたそのようなものとしてある。2024/04/12