内容説明
現代人をも動かさずにはおかない禅と陽明学の真髄を説く。
目次
第1章 五家七宗―禅の発展
第2章 宋学の勃興
第3章 易の哲学―周茂叔と太極図説
第4章 漢民族と日本民族
第5章 宋の試練―文華と文弱
第6章 碧巌録
第7章 華厳と円覚―禅の哲学
第8章 陽明学の前夜―形式化する教学
第9章 王陽明の生涯と教学
第10章 天地万物一体論
第11章 抜本塞源論
感想・レビュー
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かず
6
第1章「五家七宗-禅の発展」から始まり禅の発展と儒教との関わり、そこから宋学、陽明学への発展へと繋がっていきます。強く心に残ったのは、陽明学に言う「良知」「致良知」についてです。これを今までは「絶対的な至高の善に行き着く」ことだと思っており、それは自分とは全く離れたところにあるものだと思っておりました。しかし、良知の「良」は、「本然に備わっている」という意だそうで、つまり、「自分にも備わっている」ということです。酒米を削っていくと遂には大吟醸に至る。人間もそうやって陶冶していけばよいのだと気づきました。2016/08/27