内容説明
中国古典には、現代のビジネス社会でも十分に通用する戦略・戦術の極意がつまっています。東洋思想研究の第一人者が、日本人になじみ深い名著14篇を選び、三千年の風雪に耐えた古典の精髄をわかりやすく説き明かします。
目次
『孫子』勝つためのエッセンスを凝縮
『論語』人間学の教科書
『孟子』と『荀子』「性善説」vs「性悪説」、人間の本性は?
『老子』万物の根本原理を説く
『荘子』饒舌に語られる「達観の思想」
『韓非子』始皇帝が採用した性悪説の帝王学
『史記』異彩を放つ最初の「正史」
『三国志』現代にも通用する戦略戦術
『大学』と『中庸』近世日本の礎を築いた「儒学の原典」
『呻吟語』リーダーかくあるべし
『菜根譚』読みつがれてきた処世指南の決定版
『貞観政容』徳川家康も愛読した帝王学の原典
著者等紹介
守屋洋[モリヤヒロシ]
著述業(中国文学者)。1932年生まれ。東京都立大学中国文学科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たかしくん。
15
名前しか知らなかった、老子、荘子、韓非子、菜根譚などのダイジェスト版。「上善如水」は、老子に由来する言葉だったんですね。2021/01/16
kit45104
4
中国古典といっても「孫子」「老子」「論語」「韓非子」などいろいろあり迷いますが、本書は代表的な14篇について紹介しています。あくまでも「さわり」なので、本書を読むだけで十分とはとても言えず、それぞれの古典を読まないと身に着かないとは思いますが、ざっくり特徴や違いを知るにはいいのではないでしょうか。それにしても原文は日本語訳でも難しく、本来は文章の味わいを楽しむべきなのでしょうが、楽をしてもっぱら解説文に頼ってしまいました。2018/02/28
yoshi
3
友人たちと会話する中で、自分もそろそろ中国古典に触れてみようかなぁと思って、図書館で借りました。ビジネスにどうこうと言うよりも、まず幅広く浅く上澄みを解説してもらう感じで、最初の一歩としては適切な本だったかと思います。ただ、だからと言って「やっぱり中国古典はスゲえな」と、これからどんどん深掘りたくなってもいないのが今の自分の残念なところ。高校生の頃から三国志好きの友人とかもいたのを思い出しながら、自分にとっての新ジャンルへの旅のつもりで扉を開いてみようかな。2018/11/03
Tomonori Yonezawa
2
【県立図書館】2016.7.21 第一刷▼全十章261頁、孫子、論語、孟荀…老荘韓非子史記三国志大学呻吟語。章分け略▼一章毎の記述が少なくあっさりしてるので、中国古典にこれまで触れてないなら、この本をきっかけとして、別著(紹介されている古典)に進んでみるといいのでは。著者の本は多くの図書館で数冊はあると思うよ。▼俺の感想としては、広く浅く紹介し過ぎで、本としては面白味がないなぁってなる。▼そういや「呻吟語」って読んでないやなと検索したら、県立図書館に「原子力屋の呻吟語」なる本あり、興味持つ。2021/12/05
田中峰和
2
全く同じタイトルの本が1年前に朝日新聞社から出ていたのに驚く。それはさておき、この本は世界史で習った孔子以降、孫子、孟子、荀子など名だたる思想家が紹介されるので中国古典の復習に役立つ。取り上げた古典は十四冊、現代を生き抜くための必要な知恵を与えてくれる。君子や支配層の処世術なので、現代のリーダーたる経営者には最適だが、一般ビジネスピープルには荷が重い。儒教は哲学であり、生き方を諭すもの。中国に純粋な宗教が生まれず、仏教も衰退した理由は、精神性より実利を重んじる民族性のためか。孔子の哲学は現代まで残る。2016/09/01