内容説明
近世後期、日本最古の文献である『古事記』は単なる過去ではなくなり、書かれた時代と「同時的」となって、“神話”であることに対峙する書物となった―本居宣長の前後に登場した田安宗武・上田秋成・橘守部・富士谷御杖らの記紀解釈を集積体として読み解き、人間と神々のコスモロジーを穿つ。
目次
第1章 田安宗武の『古事記詳説』―皇位継承観を中心に
第2章 上田秋成の『神代かたり』
第3章 橘守部の神典解釈―「タブー」の神学
第4章 平田篤胤の神典解釈―宇宙論的創世神話の考察
第5章 富士谷御杖の神典解釈―「欲望」の神学
第6章 富士谷御杖の「斎宮」再興論
第7章 吉岡徳明の『古事記伝略』―国家神道体制確立過程の一齣
著者等紹介
東より子[ヒガシヨリコ]
1947年生まれ。津田塾大学卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。一橋大学助手を経て、下関女子短期大学に赴任。元下関短期大学教授。専攻は日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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