内容説明
古井由吉、マーサ・グレアム、ホイックニーら、文学・美術から現代音楽・舞踏まで文化の様々な現象を精密に分析・解読し、時代の表層をおおう「個性」の神話の崩壊と西欧的思想・論理の限界を鋭く捉え、植民地文化の湾曲した時間と空間に新しい創造の可能性を見いだした力作評論集。
目次
小説という植民地
旅の変容
見ること、力を及ぼすこと
文学と階級
思想としての打楽器
モーツアルトのオペラ・ブッファ
感情という病
イデオロギーとしての身体
隠喩について―大庭みな子論
焦点について―古井由吉論
小林秀雄論