内容説明
日本に仏教は伝わっていない!宗教が苦手な日本人のために仏教、キリスト教、イスラム教などの各宗教を徹底解説!
目次
第1章 神道とは何だろう?(日本人とともに最初からあった生き方の教え;仏教伝来で「神道」の名前が生まれた ほか)
第2章 仏教とは何だろう?(日本に仏教はない;支配者の道具だった日本の仏教 ほか)
第3章 一神教―ユダヤ教、キリスト教、イスラム教‐とは何だろう?(契約の概念;契約と講和条約 ほか)
第4章 儒教とは何だろう?(儒教と道教;儒教は君子の生き方を説いている ほか)
著者等紹介
ひろさちや[ヒロサチヤ]
1936年大阪府生まれ。宗教評論家。東京大学文学部印度哲学科卒業。同大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程修了。気象大学校教授を経て、大正大学客員教授。「仏教原理主義者」を名乗り、本来の仏教を伝えるべく執筆、講演活動を中心に活躍。また、仏教以外の宗教もわかりやすく語り、人気を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nizimasu
7
後編である「白の巻」では世界宗教であるキリスト教やイスラム教などのそれぞれの特徴を概説。個人的には神道の解説においての「民衆神道」と「国家神道」という区分になるほどと膝を打ってしまった。さらには本居宣長の「カミ」を優れたものとする解釈についてもアミニズムや怨霊さらには人為的な御柱などの神を包括した説明としては中々秀逸だなあとコンパクトながら気づきが多かった。仏教が日本に来たことで神道が「見えるもの」として対照化したことも理解が深まる。儒教と道教の話も「君子」と「小人」(庶民)の宗教という区分もわかりやすい2015/09/16
ハヤカワショボ夫
2
青の巻に引き続き読んだ。この巻は神道、世界三大宗教(キリスト、イスラム教、仏教)と「人間の生き方を教えるもの」という定義から儒教を加え比較することで現在の日本に伝わっている仏教は「古代の律令制度のもとで支配の道具として活用された」ものでこれはインチキで「日本には仏教はない」と訴えます。一神教は契約で成立するというなかなか日本になじまない点、儒教も仏教と同様政治イデオロギーに利用されたものと切り捨て、「民衆神道」に基づく「優しさ」「誠」「共生」を根本原理とする独自の宗教「やまと教」を提唱します。【家】★★★2015/09/23
terry
0
仏教原理主義者ひろさんらしい本である。若い頃、悩んでいた時ひろさんの本を読んで救われる思いがしたことを思い出す。ただ宗教家としては当然なのだろうが、反権力でありたいために国家神道のくだりで憲兵の話をだし国家神道は非道であると追及している。たまたまいた低劣な憲兵と国家神道の関係がわからない。氏は「教育勅語の一旦緩急アレバ」の項を批判しているが、日本に非常事態が生じたときに国民が力を併せ対処する事は当然ではないだろうか。残念ながらかっての進歩的文化人と同じ過ちをおかしているのではないだろうか。2015/09/17