内容説明
改革開放以降の中国経済は、国有企業から国有民営型企業、私営企業など多種多様な企業形態が、巨大企業から中小企業まで相互に関連しながら存在している。現代中国経済の飛躍的発展と高度成長の秘密は、これからの企業制度が進化しながら再構築されたことにある。重化学工業から先端ハイテク産業をはじめ、自動車、ITなど成長産業に象徴される巨大企業の内部構造と、複雑な中国企業の組織形態、制度進化の過程を緻密に検証し、多様なケーススタディを通して現代中国経済のメカニズムを解明する。
目次
第1部 企業制度原型の形成と変容(企業制度の原型―国有企業の形成と特徴;中国企業の生産システム―制度的特徴とその再構築)
第2部 在来型企業制度の改革と再編(国有企業の生成・進化・変革過程―華晶電子の事例から;特定地域の国有企業群の再編と可能性―東北地域の事例から)
第3部 未来型企業制度の誕生と進化(国有民営型企業の誕生・改革・進化およびその限界―実達電脳の事例を中心に;華人・華僑企業の内実―中芯国際の事例を中心に ほか)
第4部 世界に進出する中国企業(中国企業の海外進出と国際経営―背景・特徴・競争優位・競争劣位;民営企業の国際化課題―福耀ガラスの挑戦と挫折 ほか)
著者等紹介
苑志佳[エンシカ]
1959年中国河北省保定市に生まれる。1984年中国対外経済貿易大学国際貿易学部卒業。1998年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、立正大学経済学部教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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